9月2日(月)の本会議の報告をします。
市長より提出された議案は19件(専決処分1件、決算審査6件、条例6件、補正予算4件、契約1件、特別職人事1件)です。
今回は一部改正された条例で問題だとおもった条例について党議員団の見解を報告します。
マイナ保険証のゴリ押しは色々と問題です。
はじめは『国民健康保険条例の一部を改正する条例』です。
条例内容は、① 従来の健康保険証の新規発行は令和6年12月2日で終了する、② 現在発行済みの健康保険証の有効期限を令和7年9月30日までとする、③ 令和6年12月2日以降、マイナンバーカードを未取得の方やマイナ保険証の利用登録をしていない方に「資格確認書」を交付するという変更です。
マイナ保険証自体の取得率はポイント還元や国からのPR(圧力)で進んでいますが、
利用率は国民健康保険で6.87%、後期高齢者医療保険で8.64%と殆ど進んでいません。
これは国民の多くが現行の保険証に不便を感じていないだけでなく、
読み取りエラーや手続きがかえって面倒になるなどを経験したり、報道などで耳にした結果です。
デジタル化は本来、作業や手続きが簡素化されたり、コストが安くなったりするなどメリットを実感するものだと思うのですが、良いと信じているのは、河野デジタル大臣だけなのでは?と思うほど不人気な状態です。トラブルが明らかになっても立ち止まって検討することができずに、無理やり代替案を作って強行するため、新たな矛盾が生じたり制度が複雑化し、無駄に税金が投入されるといった悲劇が繰り返されています。
象徴的なものは、医療現場などで行われている資格確認方法が複雑化していることです。
これまでは紙の健康保険証1枚を提出するだけの行為が、マイナ保険証、資格確認書、顔認証マイナカード、マイナ保険証搭載型スマホ、資格情報のお知らせ、被保険者情報(PDF)のダウンロード、次期マイナ保険証など、これらを組み合わせた結果、現時点で確認方法は8~9種類になっています。
しかも、マイナ保険証が読み取れない際、一番有効なの資格確認は廃止を予定している紙の健康保険証という始末…。
国のゴリ押しで一番困るのは、高齢者や障害者といった医療が必要な人達と医療関係者達です。
国はこれまでマイナンバー関連に1兆円を超える税金を投入しています。
河野大臣は「不正受給」に有効などと言っていますが、月に50件もないものを取り締まるために、1兆円以上も使うなんてもはや落語の世界戦です。
そもそも日本は憲法25条を具現化した国民皆保険制度がある国です。
日本に暮らす人は誰でも等しく医療を受けられる「皆保険制度」を
エセ「デジタル化」の名のもとに破壊してしても良いのでしょうか?
こんな悪法を国民が知らない内に強行するような自民党・公明党政権、
それらを後押しする維新の会などはきたる総選挙で厳しい審判を下したいものです。
下水道責任技術者配置の規制緩和で得するのは誰?損するのは誰?
もう一つ紹介したいのは『下水道条例の一部を改正する条例』です。
これは、都内に複数の営業所がある下水道事業所に限り、責任技術者の専属義務を「選任」に改める(=兼任OK)規制緩和です。
武蔵村山市には33件の事業所がありますが、その多くが個人事業所です。
まずは、中小零細業者には恩恵はなく、大手ゼネコンなどが得するだけの仕組みであるという事がきになりました。
また「責任技術者」は下水処理計画からメンテナンスなどの責任者であり、更新にはテストをパスした者という具合に、それなりに重要な仕事です。このような人材を規制緩和した場合、安全面が後回しにされる危険があります。
建設労働者の人材不足の問題はありますが、このような規制緩和でなく、労働に見合う対価を補償することが必要だと考えますが、皆さんはどのように考えますか?