1.大山駅周辺のまちづくりについて
2.公共施設の再編整備方針について
(1)本庁舎周辺について
(2)大山駅前東地区周辺について
3.災害対策について
4.教育について
(1)教職員の働き方について
(2)特別支援教育について
5.東板橋体育館の改修について
ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、一般質問を行います。
はじめに、大山駅周辺のまちづくりについてです。
東武東上線大山駅付近の高架化と側道整備、駅前広場計画は、昨年2月の素案説明会で突然発表されました。地下化の検討や、要望をしてきた地域の方、まちづくりの会、商店街の方々から、なぜ大山だけ高架化なのか、これまで取り組んできた学習会や視察は何だったのか、役所は住民を何だと思っているのかと、怒りや失望に近い意見が相次いでいます。その後も関連する説明会は開催されましたが、単なる説明であり、意見や要望が計画に反映されることはありませんでした。住民、区民の心配や意見を受けとめるものにはなっていません。
今期20本もの切実な陳情が出され、質疑のたびに区は、事業主体は東京都であり、事業的、計画的、地形的条件をもとに高架化とした都の決定を尊重するという立場を繰り返し答弁してきました。また、地域住民、商店街から、地下化の検討や要望があったにもかかわらず、区としては東京都に要望してこなかったこともわかりました。
平成25年6月17日に開催された区の第1回(仮称)大山まちづくり総合計画策定検討会の議事概要を見ると、連続立体化は高架化を原則としており、地下化ということであれば費用負担を区に求められる可能性があるため、高架が基本と考えていると記されています。
そこで伺います。区は、最初から高架化以外考えていなかったのではないですか。平成25年6月の時点で高架化を原則としていたなら、これまでの高架や地下の検討や説明会はパフォーマンスであり、ガス抜きだったのではないですか。
区は、東上線区内全線立体化は悲願であり、まずは、東京都が進める大山駅付近の連続立体交差事業を早期に着手するとしています。しかし、現状では、ときわ台から上板橋区間以外は予定もありません。50年、100年先のまちをどうしていくかと捉えたときに、大山駅付近のみの立体化だけで本当にいいのでしょうか。区として、区内全線の連続立体化を本気で見通しているのか、お答えください。全区間の立体化を見通した検討が必要です。
先日、区議団で相模鉄道本線鶴ケ峰駅付近で地下化を決定した横浜市を視察してきました。横浜市は、3条件に加え、地域要望、まちづくりという評価項目を入れて検討、また、他区間の実績から、高架化18年、都の京王線を参考に地下化11年とし、用地買収に時間を要する高架化より地下化を選択しました。さらに、都市計画素案説明会の前に地元住民向けの事業説明会を2回行い、地下化で検討していることの説明や、参加者の意見、要望を聞いていました。一方、区、東京都は、素案説明会前に住民の声を聞くという手続も姿勢もありませんでした。区は、都市計画法に基づき、粛々と計画を進める東京都とともに、ご理解くださいという立場を貫き、都の姿勢を無条件に受け入れています。住民の命や暮らしを守る立場である自治体としての姿勢が問われます。
この間の質疑で、東上線立体化に伴う側道で影響する地権者は270名とされていますが、早期事業化を理由に高架化とした根拠も不明です。高架化10年、地下化12年としている事業期間の根拠を明らかにすべきです。区の見解を求めます。
高架化について、住民、商店街への影響はどのように考えているのでしょうか。側道で影響する住民から繰り返し説明会の開催を求められてきたのに、いまだに説明が行われていません。昨年7月、8月のオープンハウス型説明会では模型の展示がありましたが、これをもって周知したとは言えません。工期が延びた場合の商店街、地域への影響も深刻です。改めて、高架、地下の両方で検討を行うよう、東京都に求めるべきです。
駅前広場については、約5年間まちづくりを考える会にかかわってきた方の意見も要望も反映されることなく、突然素案説明会で現在の位置、計画が示されました。区は、なぜ現在の場所に決めたのか、いまだに検討過程も代替地も補償額も示さずに、更地にしてよこせという対応は変わっていません。事業主体の自治体として無責任です。駅前広場に該当する地権者約80名に対し、立ち退きや営業への影響などは、区としてどのように検証してきたのですか。
この間の質疑でも強制収用の可能性について区は否定していませんが、強制収用をすべきではありません。また、区は今年度中にとしていた都市計画決定を今年中に行うとしていますが、長年住みなれた場所を離れなければならないのに納得できる説明がない、この場所で商売を続けたいなど、切実な住民の声に耳を傾けていただきたい。もう一度駅前広場の位置について、大山のまちづくりという視点を持ち、商店街、地域住民の意見を反映させて検討をし直すべきです。区の見解を求めます。
次に、公共施設の再編方針について質問します。
まず、本庁舎周辺についてです。
区は、ことし6月、本庁舎周辺公共施設の再編方針案を示しました。板橋区基本計画2025で示された公共施設等の整備に関する基本方針の柱として、施設総量抑制、耐用年数の延伸、財産の有効活用を軸に検討していくとしています。旧保健所は、6月に示された整備手法に加え、民間事業者が設計・建設した建物を区が買い取るBTO方式など、新たな手法を含め、検討するとしています。北側公有地は土地を貸し付け、地代収入を確保、情報処理センターは、貸し付けをして財政支出の負担軽減を図るとしています。この間、区民からも、議会からも、旧保健所の跡地活用について、民間事業者の活用よりも、区民要求を聞き、行政機能を充実させるために活用すべきという声が上がり続けています。しかし、区は、庁舎整備の問題であり、区が主導で考える、パブリックコメントの予定もないとし、区民の声を計画に反映する姿勢がありません。
9月の企画総務委員会には、旧保健所に配置する行政機能が示され、当初の配置案に障がい者就労支援センター、障がい者福祉センター、板橋福祉事務所が新たに盛り込まれましたが、必要な行政機能、必要量などは示されていません。区として必要な機能と行政スペースはどれだけと考えているのか、明らかにすべきです。区の見解を求めます。
本庁舎北側の公有地については、東京信用金庫と覚書を交わして土地交換合意書を作成しました。公共スペースの必要量、機能が示されていないのに、あくまで旧保健所、情報処理センター、北側公有地の3か所を一体的に考えるとし、北側公有地は丸ごと民間提供の計画となっています。区として公共スペースの不足はないと考えているのですか。なぜ明らかにする前に不足はないと言えるのですか。理由もあわせてお答えください。
次に、大山駅前東地区周辺について伺います。
9月の企画総務委員会には、グリーンホールにある板橋福祉事務所、男女平等センターは、旧保健所へ移動する検討が報告されています。残るグリーンホールの会議室はどうなるかなど、板橋第一中学校、文化会館の検討についての進捗状況を伺います。
区は、令和3年に結論を出すとしていますが、庁内で勝手に決めないでください。検討状況を公開し、議会への報告、区民の声を聞くべきです。見解を求めます。
次に、災害対策について質問します。
記録的豪雨で甚大な被害を生んだ台風19号の上陸から1か月あまりがたちました。床上5件、床下7件の浸水被害や倒木、荒川河川敷の冠水により利用できなくなった荒川戸田橋野球場など、区内での被害が明らかになりました。
加賀にお住まいの方から、これまで金沢小学校が避難所だったのに、今回はなぜ板橋第四小学校に変更になったのか、仲宿にお住まいの方からは、石神井川の氾濫が心配で避難を考えたが、最も近い避難所が板四小では、0歳児と6歳児を連れてあの雨の中を避難するほうが危険だと思い、避難できなかったなど、避難所は22か所開設されましたが、開設場所の決定、なぜ全校でなかったのかなど、避難所運営に関することでもさまざまな課題が浮き彫りになりました。
高齢者や障がい者等要配慮者が風雨の激しくなる前に避難できる対策、災害情報の伝達、周知など、区として本気で区民の命を守り抜く立場に立っていたかが問われます。今回の台風を踏まえ、自治体として風水害における対策を精査していく必要があると考えます。区長は台風19号から何を教訓としましたか。お答えください。
今回の台風では、1,529名の方が避難所に避難されましたが、ことし8月に作成された区の避難所運営マニュアルは、風水害に十分対応できていないことが決算総括質問でわかりました。内閣府は、2016年4月に避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を改定し、これに基づく避難所運営ガイドラインを作成しています。その中で、避難所運営の前提として、避難者の健康が維持されることを目標に、質の向上を目指すものとしており、発災直後の初動期、応急期、復旧期など、時系列に避難所環境の改善を目指さなければ避難者の健康を維持することはかなわないとしています。
台風19号で被害を受けた各地では、被災者が身を寄せる避難所で女性のプライバシー確保も課題となりました。千曲川の堤防が決壊した長野市穂保地区の屋内運動場では、テントが2つ張られ、授乳や着がえのための女性専用スペースが、また、長野県上田市の指定避難場所では、囲い型パーテーションが設置されました。災害時は、ただでさえ恐怖心や不安の中、大きなストレスを抱えて避難所での生活を余儀なくされます。段階的かつ確実に質の向上を目指すことは、避難所運営のための支援・調整を行う市区町村の責務と考えます。避難所のプライバシー確保、テントの配備について、区として検討すべきです。区の見解を求めます。
また、国の指針によると、市町村は、避難の長期化等、必要に応じて暑さ・寒さ対策の必要性、食料の確保、配食等の状況など、指定避難所における生活環境が常に良好であるよう努めるものとしています。
私は、当日の午後2時ごろ、板四小と板七小を回りました。両体育館とも避難者は10名以下でしたが、体育館は蒸し暑く湿度も高い状況でした。真夏、真冬の災害時を考えたら、とても良好な環境とは言えません。区内中学校5校の体育館において、ことし6月に冷暖房設置、7月から稼働しており、夏の暑さの検証では、気温が5度下がり、暑さ指数WBGTもワンランク下がったとの検証結果が出ています。冬場の検証はこれから行うとしていますが、自治体として避難所運営をどうするかという姿勢が問われます。災害時に避難所となる区内全小・中学校体育館に冷暖房設置を求めます。また、全校設置までの期間は、少なくとも全校に冷風扇を設置するなど、区として何らかの対策を行うべきと考えますが、いかがですか。
次に、教育についてです。
まず、教職員の働き方について質問します。
ことし4月から、区内全小・中学校において、フェリカカードによる在校時間管理システムが導入されました。4月から7月分の集計結果を見ると、新年度開始の時期や、運動会などの行事時期、成績処理に追われる学期末においては、週当たり60時間を超える教職員が小・中学校ともに30%を超えていました。さらに深刻なのは、中学校で週当たり在校時間が60時間を下回る教員は1人もいなかったことです。
ある小学校教員は、一瞬目を離したすきにけんかが始まることもしばしばあり、双方に状況を聞いている間に5分休みが終わってしまう、朝から給食の時間までトイレに行くことさえできない、ふっと息つく時間さえないと言います。気になる生徒の話をじっくり聞きたいという思いを抱えつつも、異常な長時間労働によって、子どもと向き合うどころか、いつ自分の身体が壊れるかと思い悩む教職員の声があふれています。教員多忙の決定的な要因は、1日に受け持つ授業数の増加にあります。現在、多くの教員が1日5コマ、6コマの授業をこなしています。1日6コマの授業をし、法律どおりの休憩時間をとれば、授業準備や成績つけ、打ち合わせや必要な書類作成などの公務ができるのは25分しかありません。これでは長時間の残業は必至です。
そこで教育長に伺います。教職員の働き方に対する区の認識をお答えください。あわせて、在校時間管理システムの集計結果の公開を求めますが、いかがでしょうか。
公立教員への残業代支給は法律で禁じられ、実際には1円も支給されていませんが、日本の教員の労働時間は、年9,000億円の残業代に匹敵する長さです。過労死や病気で倒れる先生が後を絶たず、最近では教員の志望者も減っています。
そうした中、公立学校の教員に1年単位の変形労働時間制を適用できるようにする教員給与特別措置法改正案が参議院本会議で審議入りしました。1年単位の変形労働時間制は、労働基準法では、繁忙期に1日10時間労働まで可能とし、閑散期とあわせて平均で1日当たり8時間におさめる制度で、現在は民間のみ適用可能とされています。政府は、変形労働時間制を導入すれば、学期中の所定労働時間を延ばして繁忙期とするかわりに、閑散期の夏休み中に休日をまとめどりできるようになると言います。しかし、現場の教職員から、子どもの夏休み中は、授業はないものの、プール指導や補習、家庭訪問、部活動、研修などでびっしり。休日の振りかえは今でもとりにくい。夏休みは閑散期ではないと、変形労働時間制導入への怒りの声が広がっています。
区は、教員の変形労働時間制の導入により、教員の働き方の改善につながると考えていますか。区の見解を求めます。
人間の心身は、繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようにはなっていません。1年単位の変形労働時間制は、人間の生理に合った1日8時間労働の原則を破ることになり、日々の労働時間削減が課題なのに、この制度で問題が解決するわけではありません。2016年の国の勤務実態調査によると、中学校教員の約6割、小学校教員の約3割が、残業時間が過労死ラインの目安とされている月80時間を超えていました。教職員の異常な忙しさは、子どもの教育に深刻な影響を与えかねません。子どもたちがいじめやさまざまなことで困っていても、かかわる時間も精神的ゆとりもありません。しかし、長時間労働によって、そうならざるを得ない状況が広がっているのが今の局面です。是正のためには、教職員の定員増、学校に蓄積した不要不急の業務の中止・削減、働くルールの確立、深刻な非常勤職員の働き方是正が必要です。 抜本的に教員をふやすべきと考えます。区として教職員の定数増を東京都に求めるべきです。区の見解を求めます。
次に、特別支援教育について質問します。
特別支援教育は、学習に困難があったり、行動の自己コントロールが難しいなど、発達や情緒的な面で学校生活に適応することが難しい児童・生徒に対し、個別の指導や支援を行うものです。区は、2018年度より、小学校では巡回指導が全校実施され、6校だった拠点校は13校にふえました。中学校は2021年度に全校実施と聞いています。この間も視察などを行い、教育環境の課題について改善を求めてきました。小学校においても、現在も11校で専用室の確保ができていません。
そこで教育長に伺います。全ての小学校に専用室確保の見通しがないとしていますが、その理由をお答えください。
在籍している学校によって、教育環境に差が生じることは改善すべきであり、今いる子どもの環境改善が必要です。また、専用室がないために、指導で使う物品の搬入、搬出、職員室に巡回指導教員専用の机や椅子がない、教員が落ち着いて仕事をするスペースが確保されていないなど、さまざまな課題があると考えます。区としてこうした状況でいいと考えているのですか。区の認識をお示しください。
小学校では、ことし4月、531人だった児童は、10月末で572人へ、中学校では、115人だった生徒が125人へと増加しています。東京都の配置基準では、4月当初の児童10人に対して教員1人とされ、小学校で教員54人、中学校で12人が配置されていると聞きますが、児童数増加に対応できているのでしょうか。児童10人に対し、教員1人が保障されていない学校があると考えます。区の見解を伺います。
支援を必要とする児童は6%いると聞いています。板橋区の児童・生徒が約3万2,000人いることから考えると、今後もさらに特別支援教室を希望する児童の増加が見込まれると考えます。東京都に対し、年度途中の教員確保を求めるべきです。見解を求めます。
最後に、東板橋体育館の改修について質問します。
加賀1丁目にある東板橋体育館は、建設後31年が経過し、施設の維持管理が必要とされ、2017年12月に東板橋体育館改修基本計画が示されました。区は、来年3月からの改修工事に伴い、休館中は、小豆沢体育館や上板橋体育館などへの利用を案内していると言います。また、廃校になった小学校などでの代替的活用についても検討していると言いますが、あくまで来年4月からとしています。しかし、改修工事による休館の告知は、11月20日ごろまでは、令和2年2月3日から令和3年7月ごろを利用休止期間とすると、1階エレベーター前にA3サイズの掲示1枚でのチラシだけで、休館のお知らせ配布も職員からの声かけもなく、9月ごろに知って驚いた方から相談が寄せられました。
私は、2017年の第4回定例会の一般質問でも、体育館利用者、周辺住民への周知、説明会の開催などを求めてきましたが、利用者向けの説明会は行われていません。なぜ利用者向けの説明会を実施しなかったのですか。理由を伺います。
休館となることを知った地域住民や利用者から、改修によって施設はどうなるの、会議室が減ってしまうのは困る、利用者の声を聞いてほしいなど、さまざまな意見や要望が出ています。工事内容の詳細もわからず、利用者にとって、何がどのように改良されるのか、利用者、地域住民のニーズが反映された計画となっているか不明です。年内に利用者向けの説明会を実施すべきと考えますが、いかがですか。
また、利用者からは、2月から使用できる代替施設を近隣で検討してほしい、毎日リハビリでトレーニングをしている、年金暮らしなので歩いて行ける範囲で確保してほしい、運動できなくなれば体力もあっという間に落ちてしまうなど、切実な声が寄せられています。1年半もの間、日常生活の一部であった運動の機会、地域コミュニティの場が奪われるということは、区民の健康増進、施設の設置目的からしても問題です。休館となる間の体育施設及び会議室の代替施設を検討すべきです。見解を求めます。 区民の健康増進、コミュニティの場を維持することを強く求めて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) 皆様、おはようございます。早速、山内えり議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、大山駅周辺のまちづくりに関連いたしまして、鉄道の構造形式に関する過去の区の考え方についてのご質問であります。
東京都は、大山駅付近を平成26年9月に連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけまして、事業範囲や構造形式等の調査、検討に着手をいたしました。鉄道の構造形式につきましては、東京都がほかの連続立体交差事業と同様に、総合的に検討し、平成30年2月の都市計画素案説明会において、高架式を最適案として示されました。区としましては、踏切による交通渋滞や踏切事故等を解消するために、構造形式にかかわらず、連続立体交差事業の早期実現を望んでいるところであります。
次は、東上線の区内全線の立体化の見通しについてのご質問であります。
区では、昨年度から2か年をかけまして、交通政策全般に関する方向性を定めた、板橋区交通政策基本計画の策定作業を進めております。この中において、区としての東上線立体化の基本的な考え方についてまとめていく考えであります。区としましては、引き続き立体化の実現に向けまして、関係機関等と連携を図りながら、調査、検討を進めていきたいと考えています。
次は、連続立体交差事業の事業期間についてのご質問であります。
大山駅付近の連続立体交差事業の事業期間について、東京都からは、構造形式を比較検討する中において、過去に実施した他の事業を参考に算出していると聞いております。区としましては、これまで数多くの連続立体交差事業を実施してきた東京都の検討結果を尊重しているところであります。
次は、立ち退きや営業への影響についてのご質問であります。
駅前広場の位置については、平成29年3月に策定いたしました大山駅の駅前広場構想等を前提に、各基準に基づきまして、総合的に検討し、最適な案を選定しておりまして、適正な計画であると認識しています。今年度中の都市計画決定を経て、令和3年度の事業認可取得を予定しておりまして、事業に必要な用地の取得は、基準に基づく正当な補償により進めていく考えであります。また、生活再建の支援に当たりまして、移転先情報等に関する相談窓口の設置等、幅広い支援策を講じることによりまして、関係権利者の理解と協力を得られるように努めていきたいと考えています。
次は、駅前広場の位置についてのご質問であります。
駅前広場につきましては、地域の協議会が提言した大山駅周辺地区まちづくりマスタープラン等を踏まえ、大山まちづくり総合計画や、大山駅の駅前広場構想を策定し、これに基づき検討を進め、最適な案を決定したと考えています。区は、鉄道立体化と一体的に進めることによって、相互の事業の効果が高められますように、引き続き東京都や東武鉄道と連携をしながら、早期事業化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
次は、本庁舎周辺に関連いたしまして、行政スペースについてのご質問であります。
旧保健所の跡地活用については、効率的なスペース活用を図りながら、本庁舎機能の充実により、区民サービスの向上を目指しているところであります。配置する行政スペースについては、現在、その必要量を精査し、調整を進めている段階でございます。
続いて、公共スペースについてのご質問です。
区は、多くの公共施設を抱えておりまして、区民サービスの提供に必要な施設を、区全体で必要なもの、地域ごとに必要なものなど、その機能に合わせてこれまで適正配置に努めてまいりました。持続可能な区政の実現に向け、将来の人口推移や社会経済状況を見通しながら、施設の維持更新にあわせ、区有財産の有効活用も視野に、集約、複合化による公共スペースの確保を進めております。多額の経費を必要とする公共施設の更新需要に応えていくためにも、北側公有地は、民間活力を活用して収入を確保し、本庁舎周辺の再編整備における財政負担の軽減を図ることとしたものであります。
次は、グリーンホール等の検討状況についてのご質問であります。
男女平等推進センターなどの行政機能を旧保健所へ移した後は、基本的にはもとの機能に戻す方向で進めております。また、文化会館を含むこのエリアにつきましては、教育委員会が定めるいたばし魅力ある学校づくりプランに記載のある板橋第一中学校の検討との整合をとりながら、課題の整理を進めている状況でございます。
次は、区民参画についてのご質問であります。
先行して進めている常盤台、富士見、前野地区については、区議会への報告を行っておりまして、その後、説明会を各地区において開催をし、広く区民の意見を聞く機会を設けております。大山駅前東地区につきましても同様な手順で検討を進めていきたいと考えています。
次は、台風19号の教訓についてのご質問であります。
台風19号対応の振り返りにつきましては、町会、自治会をはじめとした区民の皆さんのご意見をお聞きし、集約を行うほかに、従事職員への聞き取りとアンケートを実施した上で、全庁的に対応を検討、検証する予定であります。現段階で得た主な教訓を3点上げますと、まず1つは、避難所運営に伴う職員配置や地域との協力体制の構築、2つ目は、的確な防災情報の発信と情報統制の実施、3点目は、避難行動要支援者への対応などの改善が主要課題になっていると考えています。これらの課題への対応策を早急に整えまして、次回の災害の対応に生かしていきたいと考えています。
次は、避難所におけるプライバシー確保についてのご質問です。
現在、全ての避難所には、簡易的なプライバシー確保対策としまして、難燃段ボール製の間仕切りを一定数備蓄しております。初動期における避難者の異変に素早く対応するため、あえて高さを低く抑えておりまして、反対に着がえや授乳などには適していないため、必要に応じて教室などを活用していきたいと考えています。避難者が落ち着いた3日目以降、協定を結んでいる団体から、高さが2メートル程度の紙管による間仕切りの提供を受け、プライバシーの確保及び避難者の負担軽減を図ることとしております。 次は、東板橋体育館の改修に関連いたしまして、利用者説明会が開催されていない理由についてのご質問であります。
利用者説明会については、休止期間の案内当初から要望の強かったスタジオプログラム等の具体的な内容が固まり、代替施設のめどが立ち次第、開催する予定でございました。しかしながら、本年が指定管理者の再選定の時期であったことから、次期候補団体が決定するまでの期間は、その団体と本格的な協議が開始できない状況でもございました。また、代替施設の確保につきましても、庁内での調整が必要であることから、説明会の開催まで時間を要しているところでございました。
次は、利用者説明会の開催についてのご質問であります。
本定例会において、次期指定管理者の指定が議決された後、12月の中旬から下旬にかけまして、利用者説明会を開催する予定であります。説明会の中においては、代替施設が可能なスタジオプログラム等の具体的な内容や、代替施設についてお知らせをする予定でございます。
次は、改修期間中の体育施設及び会議室の代替施設についてのご質問であります。
改修期間中、スタジオプログラムや武道場利用については、実施可能な範囲内において代替施設を確保する方向で最終調整を進めております。アリーナや会議室等につきましては、代替施設の確保が難しいところもございまして、アリーナにつきましては、他の区立体育館を利用していただきたいと考えています。また、会議室につきましては、近隣の集会施設等の利用を促すとともに、改修後は、体育館1階にコミュニティラウンジを整備する予定でございますので、打ち合わせ等が可能なスペースを確保してまいりたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) 皆様、おはようございます。それでは、山内えり議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
はじめに、避難所における生活環境の改善に関しまして、区内小・中学校体育館への冷暖房機器の設置についてのご質問ですが、屋内運動場への冷暖房機器の設置につきましては、夏季の効果検証におきまして、暑さ指数であるWBGTを一定程度下げる効果が確認できました。今後、冬季の検証を行う予定でありますが、全校設置に向けて、区長部局と最終調整を行っているところであります。
次に、冷風扇の設置についてのご質問ですが、冷風機の設置につきましては、児童・生徒の体調や安全を考えて、学校令達予算での購入を各学校にお願いをしているところです。現状、冷風機は少なく、主に扇風機になりますが、約7割を超える学校で設置しており、今後も購入についてお願いをしていきたいと思います。
次に、教職員の働き方に関しまして、区の認識と在校時間管理システムの集計結果についてのご質問ですが、教職員の長時間勤務は、区立学校における教育活動の質に大きく影響するものと考えており、教職員の働き方改革は最重点課題の1つとして捉えております。現在、学校、教育委員会では、システムで把握した在校時間をもとに、校務改善の取組みを推進するとともに、学校間の情報共有を図っているところです。今後も、在校時間の公表を含め、学校の実態を保護者、地域に対して積極的に周知し、区立学校における働き方改革の必要性に関して、一層の理解と協力を求めていきたいと思います。
次に、教員の変形労働時間制の導入についてのご質問ですが、教職員の勤務実態につきまして、夏休み等、児童・生徒の長期の休業期間がある一方で、学期末、学年末、学校行事等が実施される時期は、長時間勤務となる場合が多いのが現状です。こうした勤務実態を捉え、年間を通じた業務のあり方に着目した1年単位の変形労働時間制は、教員の働き方を見直す上で一定の効果があるものと考えられます。一方で、制度の導入に当たりましては、長期休業期間中の業務の縮減、日々の業務の見直し、育児、介護等の事情を持つ者への配慮などの取組みが前提となるとともに、教員の意見や声が十分に反映される運用が重要であると考えております。
次に、教職員の定数増についてのご質問ですが、教職員の定数につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律と、東京都の学校職員の定数に関する条例で定められております。教育委員会では、教員1人当たりの持ち時間数を明確にすることが教員の数をふやすことにつながると考え、中学校教員の持ち時間数を高等学校並みに引き下げるように、また、現状、持ち時間数が設定されていない小学校教員に持ち時間数を設定するよう、教育長会や指導室課長会を通じて東京都教育委員会に要望を伝えているところです。今後も、学校教育の充実を図るために、教員の定数増員を粘り強く国や東京都に働きかけてまいります。
次に、特別支援教育に関しまして、専用室の見通しがない理由についてのご質問ですが、区立小学校の中には、専用の特別支援教室ではないが、教育相談室などと兼用している学校もあります。学校の教室については、既に普通教室や音楽や図工などの特別教室、あいキッズなどが使用しており、加えて児童数の増加に伴い普通教室がさらに必要になるなど、専用の特別支援教室を確保することが難しい学校もあるのが現状です。引き続き、児童数の推移を見ながら、校舎改築の機会も捉え、専用の特別支援教室が確保できるよう努めてまいります。
次に、巡回指導教員用の専用室についてのご質問ですが、教育委員会では、専用の特別支援教室がないことの課題については認識しているところです。兼用の特別支援教室では、特別支援教室としての活用は週1日程度のため、同じく週1日程度のスクールカウンセラーが使用する教育相談室と兼用するなど、工夫をしております。また、特別支援教室専門員が学習の環境を整えたり、教材準備の補助をしたりするなど、巡回指導教員が円滑に指導できるよう対応をしているところです。
次に、巡回指導教員の確保についてのご質問ですが、特別支援教室の教員の数は、東京都の基準により、4月年度当初の児童数をもとに決められており、年度途中で入級してくる児童数は考慮されておりません。そのため、現在、児童10人に対して教員1人が配置されていない学校があり、課題であると認識しています。
最後に、年度途中の教員確保についてのご質問ですが、特別支援教室の教員数は、東京都の教職員定数配当方針に基づいており、年度途中の増員は認められておりません。児童10人に対して教員1人が保障されていない現在の状況に鑑み、実態を踏まえた基準とするよう、指導室課長会などを通じて東京都教育委員会に要望を伝えていきたいと思います。 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。