今日は、板橋区議会第1回定例会の最終本会議。
国保料値上げの区長提出議案に、自民・公明・民主クラブなどが賛成、
共産・社民・井上議員が反対しました。
私は区議団を代表し、議案に反対する立場で討論を行いました。
討論全文を掲載します。
ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第39号「東京都板橋区国民健康保険条例の一部を改正する条例」の委員会決定「原案可決」に反対の立場から討論を行います。
本議案は、2022年度の国民健康保険料率を決めるものです。
この保険料改定により、新年度の1人あたりの国保料は、10万9894円となり、コロナ禍の令和2年度と比較して一人当たり7.34%増、7620円もの増額となっています。また、最高限度額は基礎賦課額と後期高齢者支援金等賦課額を合わせて3万円の引き上げで85万円、加えて介護納付金賦課額保険料を合わせた限度額は102万円と過去最高額となります。
反対する第1の理由は、元々高すぎる国保料がさらに引き上がることになるからです。
今回の改定により、子育て世帯で未就学児が複数いる世帯などで値下げとなるものの、基礎賦課額保険料の値上げ分が大きいため、低所得世帯も値上げとなるなどほとんどの被保険者の保険料が値上げとなります。
板橋区では国保加入者の約63%が均等割のみ世帯で構成されていることからもわかるように低所得者が多くを占めており、これ以上の保険料の負担増を行うべきではありません。
そもそも国保は、均等割額の2分の1を被保険者の保険料で負担するという構造が高すぎる保険料を生んでいます。
例えば年収400万円、世帯主50歳、妻と13歳の子ども1人の3人家族の場合、保険料は47万5671円で収入の1割を大きく超える負担です。同じ世帯構成で自己負担の半分を企業が払う協会けんぽは23万374円、公務員などの共済組合では18万6791円です。国保料は協会けんぽの2.1倍、共済の2.5倍もの負担となっています。むしろ、高すぎる国保料こそ引き下げを検討すべきです。
反対する第2の理由は、区長会として各区の一般会計から国保会計へ財源を投入していることを6年かけてなくしていくことに固執しているからです。
今年度は、コロナの影響から据え置くとしたにも関わらず、新年度は今年度分を残り3年で解消すべく納付金を97.3%としたことが保険料を引き上げることになりました。国の指示通り、一般会計からの繰り入れを減らしたことは問題です。一般会計からの繰り入れをなくす計画は撤回すべきです。
反対する第3の理由は、保険料の基礎算定にコロナ関係の医療費が含まれているからです。
今回の基礎賦課額の大幅な増額の要因は、医療費の増大にあります。その原因は、新型コロナに関係するものであり、東京23区内の影響額は151億円です。
23区はその7割相当分にあたる106億円を、板橋区は特例的に8500万円を一般会計から投入し、新型コロナの影響分を保険料の算定基礎から外す対策をとり、値上げは緩和されましたが、今後の保険料に影響する可能性は否定しませんでした。
そもそも、コロナ関係の医療費を保険料の基礎算定に入れるべきではなく、国と東京都が財政支出をすべきでした。
反対する第4の理由は、子どもの均等割減額の対象を広げるべきだからです。
今年4月から、未就学児を対象に均等割額が半額に減額されます。均等割額が減額となる未就学児は2875人で国保加入者のわずか2.4%です。また、未就学児がいるすべての世帯で保険料が下がるわけではありません。医療費増大の影響を受けた基礎賦課額がその減額分をも上回り、保険料が引き上がる世帯もうまれるのです。
今回、国が人頭税とも言われる子どもの均等割の減額に動いたことは重要です。しかし、対象が狭く、補助も半額に留まっています。そもそも、加入する家族が一人増えるごとに基礎分と後期分の合計で負担が1万3千円~5万5千円も増える仕組みで、子育て世帯にはとりわけ重い負担となっています。貧困対策、子育て支援を進めるために一気に拡充すべきです。
委員会質疑で「統一保険料から外れると板橋区の保険料が引き上がる」「他区に助けられている」と言う意見が出されていました。しかし、あまりに高すぎる国保料の構造が問題なのです。そのことは、2月25日の板橋区国保運営協議会で3人の委員が同意しなかったことにも表れています。
本来なら国、東京都の支出を抜本的に増やし、高すぎる保険料を引き下げるべきで、それまでは区が一般会計からの繰り入れを増やしてでも区民の命を守る砦として保険料を引き上げないよう努力すべきです。
以上の理由から本議案に反対し、私の討論を終わります。