山内えり

「区内の公園トイレの改築を求める陳情」に賛成の立場で討論を行いました

2022.06.21

今日は、板橋区議会第2回定例会の最終本会議でした。

議案と陳情の表決、討論が行われ、私は区議団を代表し、「区内の公園のトイレの改築を求める陳情」に賛成の立場で討論を行いました。

陳情の表決は、自民・公明・民主クなどが反対し、「不採択」に。本当に残念でなりません。

私の討論全文を掲載します☟

ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第215号区内の公園のトイレの改築を求める陳情に賛成の立場から討論を行います。

本陳情は、地域の行事で公園トイレを利用した際、狭くて汚く利用する気になれなかったことから、近隣の公園トイレも調査したうえで、区内の公園のトイレを改築し、清潔なトイレにするよう求めるものです。

陳情に賛成する第一の理由は、区も掲げる「誰もが使いやすいトイレ」になっていないからです。

区は、【公園・公衆トイレの適正配置・改修計画】で、「公衆トイレは、利用者を特定せず誰でも利用できるトイレであり、周辺の公衆衛生に寄与するもの」としています。

公園トイレは公園利用者が利用するほか、公園付近を通行する方、外回りの営業マンや配送員、タクシー運転手など業務の合間にも利用します。また、災害時には一時避難場所などとして多くの住民が集まることも想定されるため、いつでもだれでも利用できるトイレへの整備は重要です。

清掃については、使用頻度によって毎日清掃するところから週に4回など頻度は異なるとしており、清潔感や臭気など個人差はあるものの公衆衛生上清潔を保ち、利用しやすいトイレであることは欠かせません。

陳情者が調査したトイレに私も行ってみましたが、3カ所のうち、2カ所が和式であり、しかも20cmほどの段があるため、足を高く上げなければ用が足せません。区は、委員会質疑の中で「今どき和式便所の家庭も少ないと思う」と答弁しましたが、和式を利用したことのある子どもが減っているうえ、段差があるため、脚や膝に困難がある方も使えません。他の公園まで移動するか、帰宅しなければならず、利用できる方が限られていては設置の意味がありません。

区が目指すユニバーサルデザインの視点からも子ども、高齢者、障害を持つ方、持っていない方等、誰もが使いやすいトイレにしていくこと、建蔽率や公園の状況からユニバーサルデザイン化のトイレ設置が難しい場合はせめて洋式化を進める等、公園や設置場所に適した改築計画を積極的に進めていく必要があると考えます。

賛成する第二の理由は、区の整備計画はあまりに遅すぎるからです。

公園公衆トイレは区内に230ヵ所あります。区は、公園・公衆トイレの改修計画の方針を1.老朽化したトイレから順に、2.バリアフリー化率の地域格差に配慮して改修を行うとし、委員会では「改修の基本を40年以上経過したトイレ」と答弁しました。

洋式化されたトイレは139ヵ所で洋式化率は、60.4%、ユニバーサルデザイン化されたトイレは102か所、44.3%です。

元々年4か所だけ整備する計画だったものが、「いたばしNo1実現プラン2025」では年2か所へさらに整備計画が縮小し、後退しています。これでは、区が目標とする100%の洋式化を進めるにはあと45年もかかることになります。

現在のペースで改修を進めれば、その間にまた老朽化し、新たな改築が必要となります。

不採択した委員からも「今の区の計画では生きているうちに最後までトイレがきれいにならない」と意見がありました。

隣の豊島区では老朽化が進んだトイレ100ヵ所を3年間で整備しています。区として早急な整備計画へ舵を切るべきです。

最後に、陳情に不採択を主張した委員より、「地元のトイレの改修を求める気持ちはわかるが区が優先度を決めていくもの」、「区の計画を飛び越えて3つの公園トイレだけ手をつけるのは公平性の観点からも難しい」等の意見がありました。しかし、優先度は区民が納得できるかたちで示されていないことも質疑のなかで明らかになりました。区の計画が国の目標よりも大きく立ち遅れていることを指摘する委員もいました。

全体の計画をスピード感もって引き上げていくことこそ陳情者の思いであり、地元のトイレを最優先的に改修することを求めているのではありません。「区内の公園トイレを改築し、清潔なトイレにすること」を求める陳情者の思いに寄り添い議会として採択すべきです。

以上の理由から本陳情に賛成し、私の討論を終わります。

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