ただ今より、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第83号 東京都板橋区立学校施設開放条例に反対する立場から討論を行います。
この条例は、区立小中学校の校庭や体育館、教室等の区民利用について、新たな基準を設けるもので、これまでの「学校設備使用条例」を全部改正するものです。
区は改正の理由として、「現状に合わない」ということや「経営改革の視点」などをあげ、事業目的の明確化、使用の公平性の確保、受益者負担の適正化を図るとしています。
しかしそもそも、学校施設を開放するということと、一般の公共施設を使用することとは目的が違うものであり、他の公共施設の利用の基準を適用するべきでないと考えます。
これまでの施設使用条例では、目的についての条文がなく、学校設備開放規則第1条において「地域住民の生涯学習等の発展に寄与する」とされ、この条文を根拠に施設開放が行なわれてきました。
新たな条例では、第1条に目的を定め、スポーツ・文化活動及び地域活動の推進、地域住民による学校教育への支援を推進することとし、より具体的な内容が示されています。
同時に、使用料の減免について、これまで免除の対象であった障害者や高齢者団体及びPTA団体が適用対象外となり、5割減額となります。
新たな条例の目的に照らしても、これら団体を減免規定から除外する理由はありません。特に、少人数で活動しているグループにとって、活動そのものが継続できない事態になりかねません。だからこそ、パブリックコメントなどでも新たな負担をしないでほしいという声が多く寄せられたのです。むしろ、地域で活動するこうした団体に学校施設を積極的に活用していただけるようにすべきです。
また、第7条8項「特定の政党その他政治団体に賛成し、または反対することを目的とした使用と認められるとき」との条文は、従来の条例には明文化されておらず、これまでの使用を制限することにつながりかねません。
学校施設の利用に関しては、「新規の利用が困難」など課題があるものの、現行の規定の範囲でも改善することは可能です。また、実際に地域で活動している団体や学校、関係者等がより連携を図ることができるよう、地域の特性に応じた使用を保障すべきです。そのためには、地域による協議を行うべきであり、一律的なルール化はむしろ地域での協力関係を壊しかねません。
条例制定の過程で、こうした検討が十分なされたとは言い難く、特に、使用料の新たな徴収や減免対象の縮小を規定する内容であることから、本条例に反対し討論を終わります。