ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第106号「中央図書館基本構想についての区民説明会への坂本区長の出席を求める陳情」に、賛成の立場から討論を行います。
本陳情は、区が進める中央図書館基本構想に基づき、中央図書館の平和公園移転についての区民説明会に坂本健区長の出席を求めるものです。
区はこれまで、中央図書館基本構想の策定にあたり、7回の区民説明会と、2回の区民懇談会を行い、地域住民や公園利用者に対し、丁寧に説明してきたとしています。
しかし、先日の文教児童委員会で、中央図書館長は、「一方的な説明が多く、十分な意見交換や議論の場がなかったことは区として認識している」と答弁しており、これまでの住民説明会や区民懇談会で区民の理解が得られたとは言い難い状況です。
区民の方々が独自に公園利用者へアンケートを行ってさまざまな声を聴取してきたのに対し、区は今年になって公園利用状況調査を実施しました。公園の樹木調査等は今年度実施となっていますが、まだ調査結果は明らかにされておらず、中央図書館基本構想をめぐっては、区民参画での検討を行う姿勢やプロセスが欠落していると言わざるを得ません。中央図書館を平和公園に建設することありきで進めてきたこと、移転に際して、住民説明会や意見交換会の仕方、利用者アンケートや団体利用調査等が遅れたことなど、区の進め方に対して区民から疑問の声があがっているのです。
また、住民、公園利用者には賛否両論の意見があり、現段階で住民の合意形成が図られているとは言えません。公園利用者や議会の要求のもと行った調査結果は、「素敵な図書館にしてほしい」、「地域に開かれた図書館を期待する」という意見がある一方で、「公園を削られては困る」、「平和公園への移転はしてほしくない」など反対の声も多く寄せられています。
公園内のどこに図書館が建設されるのか、規模はどのくらいになるのか、駐輪場はどうなるのかなど、住民の不安はいまだ解消されていないのです。
区は図書館の設置場所、敷地面積など、具体的な計画案を今年12月に示すとしています。
しかし、その後の区民懇談会は12月に1回、意見交換会は12月、来年2月に2回行うだけで、とても住民合意を図る姿勢があるとは言えません。
文教児童委員会で謝罪要求を議会で行ってほしいという内容になっているという意見がありましたが、この陳情は区長が住民に謝罪をするかどうか問われているわけではなく、説明会への区長の出席を求めるものです。
新しい中央図書館の建設や平和公園への移転は坂本区長が決定したことです。
図書館の新築は大きな事業です。杉並区では行政の首長が住民団体の代表と話し合いの場を持ったことを聞き取りによって確認しました。積極的に住民の声を聞いているではありませんか。
区は、住民の合意形成を図るために、でき得る限りの努力を最後まで行うことが重要です。これまでの進め方に欠落していたプロセスを補うには、計画の責任者であり、行政の責任者である区長が自ら住民に説明し、直接住民の声を受け止めるべきです。
よって、本陳情に改めて採択を主張し、討論を終わります。
2016.10.14