少 数 意 見 報 告 書
2018年11月8日の都市建設委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第112号 都心低空飛行による事故被害に関する意見書の提出を求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、東京オリンピックに向けて、羽田空港の機能強化を理由に国際線発着便を増やすため、東京都心上空を飛行することを国土交通省が発表したことにより、多くの不安を感じる住民から新航路について見直すよう意見書をだすことを求めるものである。
その不安の一つが、住宅の上となる都心上空を飛行する事である。
現在は、騒音問題などを考慮して東京湾上空を通過する離着陸ルートを使用しているものを、一部都心上空通過ルートに変更することで滑走路を効率的に活用し、国際線の増便を図るという計画である。
実際に飛行機が車輪を出す際に上空でついた氷片が落下するなどの落下事故は、8年間で400件を超えている状況で、その対策は十分とは言えない。
また、離着陸のため区内上空を約1200メートルという低空飛行となることも大きな不安を与えている。
都市計画課長は「国際社会で生きていくことを考えると、一定の理解をしなければいけない」というが、住民の命の危険がゼロではない中、羽田空港の機能強化を優先するわけにはいかない。住民の安全を保障するために、新ルートの見直しが必要である。
以上の理由で、本陳情に採択する。
2018年11月8日
都市建設委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2018年11月8日の都市建設委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第129号 大山駅西地区の都市計画に関する陳情
第3項 公聴会開催の件
2 意見の要旨
本陳情は、地域住民の意見を反映させるための必要な措置として公聴会を開催するよう区に求めるものである。
大山駅西地区に関する素案説明会、原案説明会が猛スピードで実施され、地域住民の意向が反映されずに計画が進んでいることに対し、みんなでまちづくりをしていくために、意見を言う場や専門家の意見を聞く場を設けてほしいとして出されたものである。
公聴会とは、公の機関がその意思決定に際し、利害関係者や学識経験者などから意見を聴く制度である。
区は11月の都市建設委員会で「公聴会は、日時、場所、時間、参加数を指定し、意見陳述だけを行うもの。公聴会の開催は、都市計画案を出すときと限定されており、都市計画決定後の現在において公聴会の開催は考えていない」と答弁している。
しかし、この陳情は都市計画決定される前の2017年5月に提出されているため、公聴会を開催することは可能であった。本来、区の責務において公聴会開催の手続きを踏むべきだった。
また、都市計画決定後の現在においても公聴会の開催を制限したり、禁止するものではない。
不採択を主張した委員から、「これまでの説明会で十分な説明が行われている」という意見があった。であるならば、公聴会の開催を求める陳情は出ないと考える。
原案説明会の内容は、地域の商店街や町会が中心となって策定された大山まちづくりマスタープランとはまちづくり構想が大きく変わっており、地域住民の理解が得られたとは言い難い。
よって、本陳情の採択を求める。
2018年11月8日
都市建設委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2018年11月8日の都市建設委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第165号 建築紛争調整委員会についての陳情
第3項 手引き改善の件
第4項 委員選任の件
2 意見の要旨
本陳情は、大規模ワンルームマンション計画に関し、日照侵害や閉塞感・圧迫感、周辺の交通環境の悪化、コミュニティーの希薄化などによる住環境の悪化などを問題として事業者に建築計画の変更を求めるもとで紛争予防条例を活用した住民から提出されたものである。
本陳情第3項は、紛争調整委員会の役割やルールを「手引き」でわかりやすく解説を求めるものである。
区は、「紛争調整委員会の手引きはホームページ上でフローチャート図等も示している。また、紛争調整について検討している方が区役所窓口に来た場合、これまで1冊で対応していた手引きを「住民側」と「建築側」と2分冊し提示している」としているが、住民にとっては難しい手引きとなっている。
不採択を主張した委員は、「紛争調整委員会の役割やルールは手引きに掲載し、わかりやすく解説されており、願意に応えている」としている。であるならば、採択し、より充実した手引きとなるよう求めるべきである。
第4項は、紛争調整委員には住民運動に理解のある人を1名は入れるよう求めるものである。
区は、「紛争調整委員会は公正中立に行わなければならないため、特定の主義主張を持っていない方を選任し、区役所窓口に来た方には紛争調整委員が活躍する分野については説明している」とし、「個人情報の開示についても今後精査する」としている。
不採択を主張した委員は、「公正中立な立場をとらなければならないため」としている。そもそも紛争調整委員がどういう経験がある方なのか、またどんな理由で選定されたのかは、わからない。
また、建築のプロである事業者と対峙している住民側は、紛争調整に対する知識も経験もない中で、争っている案件を調整する際に、より住民側に立った認識や住民運動への理解のある人が、紛争調整委員にいなければ、公正中立とは言えず、調整も実のあるものにならない。
よって、本陳情第3項、第4項の採択を求める。
2018年11月8日
都市建設委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2018年12月3日の都市建設委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
議案第87号 東京都板橋区立住宅条例の一部を改正する条例
2 意見の要旨
本議案は、弥生町住宅、常盤台三丁目住宅、大山東町住宅の3カ所の区立住宅を契約期間満了に伴い廃止するものである。
区は、住宅ストックが量的に充足しているという理由で区立住宅を借上げ期間満了時に一律返還するとしている。
しかし、区立住宅は、新婚・子育て世帯を支援するため、中堅所得向けの賃貸住宅の機能を果たし、最長3年間、家賃を月額3万円から4万円減額する措置を行ってきた。
区は、返還後も入居を希望する際、新たに契約をすれば継続して住むことは可能としているが、家賃が従前より上がる可能性も否定できない。
また、持ち主に相談することなく一律に返還するという姿勢は自治体の役割を果たしているとは言い難い。
そもそも公営住宅を一戸も増やさず、民間賃貸住宅への家賃助成を一切やらないと固執し続ける脆弱な住宅政策のもとで、子育て層への支援に唯一の家賃助成の実施をやめる方針は区民の願いに逆行する。
住宅政策は区民の暮らしの土台をつくるものである。「子育て世帯の誘致」というなら持ち主に契約継続を申し出てでも中堅所得向けの支援は継続すべきである。
よって、本条例案に反対する。
2018年12月3日
都市建設委員 山 内 え り