少 数 意 見 報 告 書
２０１９年１２月３日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第７１条第２項の規定により、下記のとおり報告します。
記
１ 事 件
議案第９６号 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
２ 意見の要旨
同議案は、２０１６年１月より始まった個人番号カードを利用したコンビニエンスストア等の多機能端末機能により、新たに戸籍の証明書及び戸籍の附票の写しの交付が可能となるために、条例を改正するものである。
多機能端末機による戸籍の附票の写しについては交付手数料が２００円、戸籍証明書については３５０円となっている。
区は、同条例を改正することにより「利便性の向上が図られる」としている。しかし、先行してコンビニエンスストア等で個人番号カードを利用し交付をおこなっている自治体では、３、４年かけても戸籍謄本の発行は４～５％に留まっている。また現在、約８割の区民が個人番号カードを持っていないため、条例改正がおこなわれても多くの区民にとって利便性が向上するかは不透明である。さらに、職員の窓口業務が減るのかもわからず、システム改修に１９００万円をかけ、手数料として地方公共団体情報システム機構に１通交付するごとに１１７円の支払う必要性についても不透明である。
個人番号カードについては、個人情報の漏えいを心配する声が少なくない。区は個人情報の漏えいの対策として「コンビニエンスストアなどには、電話で区の担当者に繋がるシステムが設定されている」としているが、これまで、区がおこなってきた公的な手続きをコンビニエンスストア等の民間企業に任せることは、個人情報の漏えいの心配を払拭することにはならない。
マイナンバーカードの普及を目的とした、多機能端末機による証明書などの交付をこれ以上、拡大することはやめるべきである。
よって、本議案に反対する。
２０１９年１２月３日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
２０１９年１２月３日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第７１条第２項の規定により、下記のとおり報告します。
記
１ 事 件
陳情第６２号 東板橋体育館改修についての陳情
第１項 会議室数維持の件
陳情第７１号 東板橋体育館・大規模改修工事に伴う利用者の活動継続のための陳情
第３項 民間スポーツ施設料金補助の件
第４項 公共スポーツ施設斡旋の件
２ 意見の要旨
本陳情は、東板橋体育館大規模改修に伴い、現状の会議室数の維持、体育館利用者が休館中も活動継続できるよう、利用者から提出されたものである。
まず、第６２号第１項は、現在４室ある会議室数を維持することを求めるものである。
加賀一丁目にある東板橋体育館は、建設後３１年が経過し、施設の維持管理が必要とされ、２０１７年１２月に東板橋体育館改修基本計画が示された。この計画では、これまで３階に４室あった会議室は地下１階に２室へ変更するとされている。近隣には集会施設が少なく、マンション管理組合や商工会議所、各サークル団体が東板橋体育館の会議室を利用してきた経緯がある。近隣にあった南板橋公園内集会所や板橋四丁目集会所が廃止され、集う場の確保がより難しくなっている。
区は、板橋地域センターや板橋いこいの家、仲宿いこいの家など近隣に集会施設があると言うが、いずれの場所も近いとは言えず、東板橋体育館会議室の代替集会施設とは言い難い。加えて、会議室が２室に減らされれば、集う場の確保がますます難しくなるうえ、体育館の休館中は加賀地域には集会室が一つも存在しないことになる。地域コミュニティの場を奪うことになり、問題である。
次に、第７１号第３項は、近隣の民間スポーツ施設においても現在の利用料程度で利用できるよう区に支援を求めるものであり、第７１号第４項は、近隣の公共スポーツ施設で利用者が利用できるよう、情報の提供など求めるものである。
東板橋体育館は、毎日約４００人、３団体もの方が来館し、健康維持・増進のため、また、リハビリなど日常生活の一部として体育館を利用している。今回の大規模改修により１年半もの間休館になるため、日常の身近なスポーツの機会を奪われることに対し、せめて近隣のスポーツ施設で今までと同レベルの利用料で継続して運動する機会を求めることは当然である。
区は、「旧板九小体育館や区立体育館を休館中の代替移設として調整中している」としているが、２～３割程度のプログラムの実施しか見込めず、現状の利用者が継続して利用できる機会、場所の確保ができているとは言い難い。
計画策定の段階で利用者や近隣住民に広く周知し、声を聞くという姿勢があれば、代替施設を求める利用者の声を反映することも可能だったと考える。
区として区民の健康増進・維持、身近な場所でスポーツを楽しむ機会の継続をどう図っていくかという視点を持つべきである。
よって、本陳情の採択を求める。
２０１９年１２月３日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
２０１９年１２月３日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第７１条第２項の規定により、下記のとおり報告します。
記
１ 事 件
陳情第７０号 板橋町に集会所設置を求める陳情（下板橋駅前集会所の件）
２ 意見の要旨
本陳情は、下板橋駅前集会所にエレベーターを設置することを求めるものである。
同集会所は、利用率が８６％となっており、多くの区民などから親しまれている。１９９７年に都営住宅の一部を行政財産使用許可で買い上げ、２階に洋室と和室が在り、１階は防災備蓄倉庫となっている。そのため、集会室を利用するためには、階段を上り下りしなくてはならない。
区は、「近隣の板橋地域センター及び板橋いこいの家には、エレベーターが設置されている」として、他にも利用できる場所が存在するという考えを示した。しかし、集会所の利用者は高齢者が多く、幹線道路を渡って行かなければ集会所を利用できないことは問題である。２０１６年度以降に、近隣に在った南板橋公園内集会所と板橋四丁目集会所が廃止されたことで、選択肢が狭められている。
また区は東京都とともに、バリアフリー化の考え方についても「すべての人にとってくらしやすい地域社会の実現をめざすユニバーサルデザインへ考え方を発展させていくことは重要である」という立場を示している。
下板橋駅前集会所に、エレベータ―を設置するために、区は「６０００万円の経費がかかる」と言うが、区としてユニバーサルデザインの視点を持ち、エレベーター設置をおこなうために経費を確保するべきである。
よって本陳情の採択を求める。
２０１９年１２月３日
区民環境委員 山 内 え り
