少 数 意 見 報 告 書
2019年6月10日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
議案第60号 東京都板橋区立リサイクルプラザ条例の一部を改正する条例
2 意見の要旨
本議案は、これまで利用者が衣類や雑貨、大型家具購入に関する販売額を区に納付していたものを、今後は直接指定管理者に納付するというものである。
なお、リサイクルプラザ施設の多目的室やシャワー・ロッカー、駐車場など施設利用や各種講座の事業は区長の承認を得て指定管理者が予め定めるとしている。
舟渡4丁目にある区立リサイクルプラザは、2006年1月に開設され、指定管理者制度による運営により資源循環型社会の形成に寄与することを目的として、ゴミの減量、リサイクルに関する各種の啓発事業や大型家具や衣類、雑貨などのリユース事業を行っている。
区は、「これまで区の歳入としていた家具の販売や自主事業としていた衣類、雑貨などの収入をすべて指定事業とし、直接指定管理者の収入とすることで、区が負担する指定管理料の抑制を図る」と説明した。
質疑において、区は、「衣類、雑貨の販売額は年間平均120万円、家具の販売額は年間平均60から80万円ほどであり、約200万円に相当する分が区に納付されていたが、今後は指定事業に位置付け直接指定管理者の収入とし、区が負担する指定管理料の抑制を図る」と答弁した。
具体的には、これまで自主事業としていた家具の販売や衣類、雑貨の事業を指定事業に位置付け、毎年区に納付していた販売額の約200万円に相当する分を指定管理料の減額とすることが今回の改正の目的と言える。
しかし、いくら質疑をしても今後の販売方法がどうなっていくのか販売価格がどう設定されるのかもわからず、「毎年度、仕様内容、協定内容を区は指定管理者と協議していく」ことしか明らかにならなかった。
利用者の負担が今後どうなるのかわからず、条例改正の内容が条文では明記されていない。さらに、区立の施設としての役割、責任を手放す内容となることが否定できない。
よって本条例案に反対する。
2019年6月10日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2019年6月10日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第7号 東京都の「環境基本計画」における「再生可能エネルギーの導入」をさらに促進することを求める意見書提出に関する陳情
2 意見の要旨
本陳情は、柏崎刈羽原発に頼らない脱原発の東京をつくるため、再生可能エネルギー推進を軸としたエネルギー政策の推進のために、再生可能エネルギーによる電力利用割合の目標値を2030年までに50%に引き上げるなど、再生可能エネルギーの導入をさらに推進するよう東京都に対し意見書の提出を求めるものである。
東京都は、2016年3月に「環境基本計画」を策定し、再生可能エネルギーの電力利用割合を2030年までに30%に高めるという目標を掲げ、創エネルギー、省エネルギー推進のため、事業者向けに地産地消の再生可能エネルギー導入のための助成やエネルギーファンドの運営、住宅の省エネリフォーム助成などに取り組んでいる。さらに、今年5月、都内で排出されるCO2を2050年までに実質ゼロにする温暖化対策の目標も掲げている。
質疑の中で区は、「東京都は2014年から2017年までの4年間を平均でならすと電力割合が毎年1.75%程度再生可能エネルギーに変わっており、このまま推移すれば2030年までに38%程度まで高める可能性はある」とした。
しかし、脱炭素で原発に頼らない政策を推進していくためには、現行の「環境基本計画」を前倒しして進める必要があり、このペースでは都内で排出されるCO2を2050年までに実質ゼロにすることは困難である。
再生エネルギーの導入は、安心して利用できるエネルギーの安定的な確保や温室効果ガスの排出抑制を図るうえで重要であると考える。世界に目を向けると、2030年までにEU全体は45%、フランスは40%、アメリカのカリフォルニア州は50%を目指し、エネルギー政策の柱を省エネルギーと再生可能エネルギーに移している。
原発や石炭火力の推進に固執するのではなく、東京都は日本最大の自治体として掲げている目標値をさらに高める必要がある。
よって本陳情に賛成する。
2019年6月10日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2019年6月10日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第29号 主要農作物種子法廃止に際し、市民の食糧主権と食の安全を守るため、新たな法整備と積極的な施策を求める意見書提出を求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、主要農作物種子法廃止に際し、市民の食糧主権と食の安全を守るために、公共財としての日本の種子を保全する新たな法整備と施策を行うことを求め、国会、政府、東京都に対し、意見書の提出を求めるものである。
米や大豆などの種子を安定的に確保するために制定されていた「主要農作物種子法」(種子法)が2018年4月に廃止された。
区は、農業者の視点から「主要農作物である米、麦、大豆を生産する区内の農家はなく、野菜、果物、花に限られているため、区内生産農家における影響は極めて少なく、農業者や団体からは意見や要望が出ていない」。生活者の視点として「遺伝子組み換えに関しては、食品衛生法の安全性審査で規制されており、ただちに食の安全を脅かすものではない」。加えて東京都は数年前に種子生産から撤退しており、予算措置の影響はない」としている。
しかし、種子法廃止に伴い、日本の農業や食に大きな影響が出ることへの懸念が広がっている。
特に、生活者の視点から、特定財源措置が図られないことによる農作物の放棄、野菜の種子のようにグローバル企業の参入で特許化された種子が市場を独占し、農薬多投のF1品種となり、種子価格の高騰や遺伝子組み換え品種による健康被害、売れる品種に限られることにより、気候変動や病害虫による収穫量減、食糧危機に陥るという様々な懸念は払拭されない。
法の裏付けがなくなることでこれまで通りの種子行政ができるか危惧する道府県、市町村議会が種子生産・供給に万全の対策を求め、昨年4月時点で、64自治体が国や国会に意見書を提出している。また、新潟県、兵庫県、埼玉県など10県が「種子条例」を制定しており、条例制定準備を進めている自治体もある。
生活者として食の安全・安心を求めることは当然である。
よって本陳情に賛成する。
2019年6月10日
区民環境委員 山 内 え り