山内えり

いこいの家条例を廃止する条例など少数意見 2021.4定

2022.03.12

少 数 意 見 報 告 書
2021年11月29日の健康福祉委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。

1 事 件
議案第67号 東京都板橋区立いこいの家条例を廃止する条例
2 意見の要旨
本議案は、令和4年3月31日をもっていこいの家を廃止するものである。
反対する第一の理由は、区が果たしてきた役割の後退と考えるからである。
区は、昭和49年から高齢者の居場所確保や健康増進等を目的にいこいの家を整備してきたが、社会情勢の変化等に伴い、現在13か所あるいこいの家を4種に用途変更するとしている。
一つ目は、介護予防やフレイル予防、健康づくり事業の活動拠点、二つ目は、地域包括支援センター等の施設の適正配置、三つ目は、地域センターや区民集会所として転用、四つ目は、売却等を含めた資産活用を図るとしている。
しかし、この議案により、3か所の施設が完全に廃止となる。その他の施設も用途が転用されるため、区が言ってきたような、ふらっと立ち寄れてお茶飲みしておしゃべりする場所がなくなることは問題である。
第二の理由は、区の方針に一貫性がないと考えるからである。
区は、多くの利用者に親しまれてきた入浴事業を平成29年に廃止し、条例の設置目的まで変更し、多世代が交流できる施設としてきた。例えば赤塚、仲宿のいこいの家は浴室だった場所を音楽練習室へ、大和いこいの家の浴室は調理室へ転用するなど10施設で1億1600万円もかけて改修してきた。であるならば、区民の居場所、多世代が集える場として発展させていく必要があったにも関わらず、利用率が上がらないとして廃止することは問題であり、区民への周知や利用率を上げるために努力すべきである。
第三の理由は、高齢者施策に対する理念が欠けていると考えるからである。
団塊の世代がまもなく75歳以上になる。高齢者社会を迎える中、誰一人取り残さない、SDGsに取り組むとする区の方針から、区民の福祉向上のために、生きがいづくり、健康増進や介護予防という位置づけをもち、本来なら施設の拡充を図るべきである。公共施設の総延床面積を2割削減とする総量抑制の区の方針に固執すべきでない。
以上の理由から本議案に反対するものである。
2021年11月29日
健康福祉委員  かなざき 文子
健康福祉委員  山 内 え り
議 長  坂本 あずまお 様

 

 

 

少 数 意 見 報 告 書
2021年11月29日の健康福祉委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。

1 事 件
陳情第186号 利活用される「大和いこいの家」と「大和集会所」のトイレ等の改修並びに「介護予防活動」の支援についての陳情(施設改修及び介護予防活動支援の件)
2 意見の要旨
この陳情は、いこいの家の存続を願うなか、区が利活用方針を示すのなら、せめて介護予防活動をしていくにあたって利用者が活動しやすくなるよう環境整備を求めるものである。
採択する第一の理由は、誰もが利用できるよう施設改修を行う必要があると考えるからである。
トイレの改修について、区は1階の男女共用トイレは躯体や構造上、男女別で車椅子利用可能トイレに改修することは難しいとし、だれでもトイレを1か所設置するとしている。しかし、1階に転用される富士見地域包括支援センターの面積は他の地域包括支援センターと比べても比較的大きく、転用後のフリースペースとつながる現在の茶室の場所を改修するなど様々な検討をすべきである。
エレベーター又は階段付設の昇降機新設について、区は、エレベーター新設は敷地が狭いため物理的に難しく、昇降機設置についても電気設備工事が必要となるうえ、安全管理上の課題もあり難しいと答弁した。しかし、誰もが利用できる施設へと改修するためにバリアフリーの視点は不可欠と考える。現在駐車場となっているスペースを活用するなど、どうすれば設置できるかという視点を持つべきである。
第二の理由は、1階調理室は引き続き使用できるようにすべきと考えるからである。
区は、1階調理室は富士見地域包括支援センターの会議室兼休憩室となり個人情報を取り扱う機会も多いため一般の方の出入りはできず、2階の集会所の給湯室を使用するよう求めている。しかし、2階の給湯室を使用するには階段を昇らなければならない。配置を工夫するなど柔軟に対応することは可能である。
第三の理由は、区として介護予防活動を行うための支援が必要と考えるからである。
保険制度について、社会福祉協議会の福祉の森サロンのサロン保険に加入できると案内しており、引き続き案内を継続すべきである。
区民集会所の利用料免除について、区は、「今後の利用状況を見ながら判断する」と答弁しており、議会として反対すべきではない。
以上の理由から、本陳情の採択を求める。
2021年11月29日
健康福祉委員  かなざき 文子
健康福祉委員  山 内 え り
議 長  坂本 あずまお 様

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