少 数 意 見 報 告 書
2020年1月21日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第27号 板橋区役所前駅公衆喫煙所設置を中止、撤去することを求める陳情
〃 第28号 板橋区役所前駅公衆喫煙所設置の説明会に関する陳情
2 意見の要旨
本陳情は、公衆喫煙所の設置予定地の近隣に医療機関や学習塾などが存在し、高齢者、子どもなどが多く通行する場所であることから、喫煙所の設置場所としてふさわしくないため設置の中止と撤去を求め、合せて、住民への説明会開催を求めるものである。
区は、当初、昨年7月1日の開設を目指していたが、近隣住民の理解が得られず9月1日に開設を延期した。
しかし、その後も、住民だけでなく議会の了解も得られないため「このままでは東京都から補助金を受けるための了解が得られない」として予定地での開設を断念し、高島平へ移設させることを決定した。
陳情に不採択を主張した委員からは「陳情の願意は、ほぼ叶っている」という意見があった。
しかし、願意がほぼ叶った過程には、近隣住民などが、様々な問題を投げかけて行政を動かしてきたことがある。
また、説明会についても6月26日に開催されたが、多くの参加者から2度目の開催を求める声があった。区は、「状況、内容等に変化がないため、開催は未定である」としてきたが、状況に変化があった後も、近隣への説明を直に会っておこなってきたことを理由に、説明会を開催しなかった。本来なら、どのような経過で、区役所前での設置を断念し、高島平に移設することとなったのか、説明会を開催することが必要である。
よって、本陳情の採択を求める。
2020年1月21日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2020年2月18日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第81号 国会等への種苗法改定反対、慎重審議を求める陳情
2 意見の要旨
本陳情は、種苗法の改定に反対すること、慎重な審議を行うよう国会等へ意見書を提出するよう求めるものである。
農水省は、「優良品種の持続的な利用を可能とする新品種の保護に関する検討会」で種苗法の現行制度の見直しを検討している。なお、現段階で法案は提出されていない。
その主な内容は、「日本国内で開発された品種の海外流出防止のため」、「種子の育成者権保護のため」とし、海外への持ち出しの規制、品種登録した品種(登録品種)は農家が次期作の種苗として自家増殖することも含めて「許諾制」とするなどである。
区は、これまで区内農家から懸念の声は聞いていないとしている。
しかし、この改定により、これまで認められてきた農家のタネ取り(自家増殖)の権利が著しく制限されると同時に許諾にかかる煩雑な手続き、費用、もしくは種子を毎年購入しなければならないなど、日本の農業を支える圧倒的多数の農家にとっては新たに大きな負担が発生することが懸念されている。
加えて、今回の改定が「日本国内で開発された品種の海外流出防止のため」としているが、「海外への登録品種の持ち出しや海外での無断増殖をすべて防ぐことは物理的に困難であり、有効な対策は海外での品種登録を行うことが唯一の方法である」と農水省自身も認めており、海外での育成者権保護強化のために日本国内の農家の自家増殖を禁ずる必要性はない。
農家から、種採りや増殖のための伝承技術や文化を奪うことは、自然界との関わりのなかで、農家に代々営まれてきた農の生業の全体像を受け継ぐ人がいなくなり、農業のための植物遺伝資源の多様性も失われることにつながり、日本の農業にとって多大な損失を招くことにつながる危険性が高くなると言わざるを得ない。
よって、本陳情の採択を求める。
2020年2月18日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2020年2月18日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第85号 羽田空港機能強化による新ルートの騒音測定を、上板橋第二小学校又は中学校で行う事を求める陳情
陳情第86号 羽田空港における新飛行ルートについての陳情
2 意見の要旨
本陳情は、羽田空港における新飛行経路に関して住民から提出されたものである。
国土交通省は、首都圏の国際競争力の強化やより多くの訪日外国人旅行者の受入れ等のため、今年3月29日から新飛行経路の運用を開始し、羽田空港において国際線を1日約50便増便するとしている。
第85号は、騒音測定を上板橋第二小学校又は中学校で行うことを求めるものである。
1月30日から3月11日までの期間中に南風時・北風時それぞれ7日間程度、実機による確認試験飛行が行われている。ごう音や住宅地の真上を低空飛行する機体の威圧感など、地域住民から不安・恐怖の声が多数寄せられた。
区は、北区の袋小学校、豊島区の千早小学校に騒音測定ポイントがあること、区内では赤塚第二中学校に測定ポイントが設置されたこと、2月5日における北区、豊島区の測定ポイントの最高値の差が1dBしかないこと等を理由に、区内へ新たな測定ポイントの必要性がないとしている。加えて、初期費用とランニングコストで設置に年間約700万円かかることも設置しない理由としている。
しかし、板橋区への影響を区の責任で把握し、区として公表していくことは、「眠れない、仕事にならない」など区民の日常生活への不安に応える最低限の責任である。
第86号は騒音測定及び数値の公表、相談窓口の設置及び国交省へ通告するシステムの確立、教室型説明会の開催などを求めるものである。
区は、新飛行経路専門の相談窓口は設けていないが、騒音や環境に関することは環境政策課、落下物や飛行ルートに関することは都市計画課で意見を聞いているとしている。
しかし、住民がどこへ心配の声を寄せたらいいのかホームページでの周知も行われていない。国交省が設置する常設の相談窓口を案内するだけでなく、区として新飛行経路専用の相談窓口を設け、区民の心配の声に耳を傾けるべきである。
また、住民向けの説明会はオープンハウス型、教室型合わせてこれまで計14回開催してきたと言うが、まだこの計画を知らない区民が多く、周知も理解も得られたとは言い難い。3月29日の本格始動前に早急に教室型説明会を開催するよう国交省へ要請すべきである。
よって、本陳情の採択を求める。
2020年2月18日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2020年2月18日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第91号 商業環境の変化と板橋区のSDGs(持続可能な開発目標)に関する陳情
2 意見の要旨
本陳情は、補助26号線道路計画と東武東上線大山駅付近の高架化等によりハッピーロード大山商店街・遊座大山商店街の商業環境に影響が懸念されるなか、住民より提出されたものである。
1項は、商店街の通行量、総売り上げ額の概算額、商店街最寄り駅周辺500m内の「総店舗数・空き店舗数・商業床面積」等の現況数、商店街活性化事業に対する「(区)助成金」等の実績、街の利便性・連続性・回遊性・安全性等についての調査資料の具体的な数値の把握及び情報公開を求めるものである。
補助26号線道路計画や東上線大山駅付近の高架化、クロスポイント、ピッコロスクエアの再開発等によってハッピーロード大山商店街や遊座大山商店街に大きな商業環境変化が起こることが想定できる。
一方、補助26号線道路の用地取得率が2割程度であることや東上線の高架化や民間の再開発など各事業が多岐にわたるため、工事期間がどのくらいかかるのか、どれだけ多くの店舗に影響が及ぶのか未だ明らかになっていない。
工事期間が長引けば、車両の通行、資材置き場等にも影響し、区がこれまで言ってきた「にぎわい」そのものが大きく損なわれかねない。このにぎわいを守り、さらに発展させていくためには各事業、計画による影響がどう及ぶのか調査・分析・予測を示してほしいと地域住民や商店街関係者が願うことは当然の要求である。
まちがどう変わっていくか地域住民の日常生活にも大きく影響することから調査を商店街まかせにせず、まちのにぎわい、商店街の発展も含めて区が支援していくべきである。
現状では足らないものの、委員会では共有できており、「5項目を把握するのでは十分ではない」と言うのは不採択とした理由にならない。
第2項は、各事業により影響する1項目について専門家等による将来予測及び地域住民との意見交換の場を求めるものである。
これまでも商店街独自で通行量の調査など行ってきているが、長期にわたる各事業の工事期間を鑑みれば将来にわたり商業環境がどう変化していくかという視点が必要である。
質疑の中で区は、「商店街が独自に調査をすることをお勧めしている。実際にかかった費用は区が補助する」と答弁したが、区が、道路計画も東上線高架化も再開発も一緒に推進している以上、区として地元の商店街の商業環境を守るために、どうしていくか積極的な支援策をもつ姿勢が必要である。
よって、本陳情の採択を求める。
2020年2月18日
区民環境委員 山 内 え り
少 数 意 見 報 告 書
2020年2月20日の区民環境委員会において留保した少数意見を、会議規則第71条第2項の規定により、下記のとおり報告します。
記
1 事 件
陳情第62号 東板橋体育館改修についての陳情
第2項 代替施設用意の件
〃 第71号 東板橋体育館・大規模改修工事に伴う利用者の活動継続のための陳情
第1項 改修中の現行サービス提供の件
第5項 話合いの場設定の件
2 意見の要旨
本陳情は、東板橋体育館大規模改修工事に伴い、利用者から提出されたものである。
第62号第2項、第71号第1項は、工事期間中も卓球などが継続してできるよう、近隣に代替施設の確保を求めるものである。
東板橋体育館には、健康維持・増進、またリハビリなどを目的に多くの利用者が来館してきた。今回の大規模改修により1年半もの間休館になる。そのため、日常生活の一部ともなっている運動する機会を奪われることに対し、近隣の施設で運動を継続できるよう求めることは当然である。
区は、旧板橋第九小学校体育館、区立文化会館の和室やリハーサル室などを休館中の代替プログラムの施設として、加えて、板橋地域センター等を卓球のできる施設とするなど、4割を超えるプログラムの代替実施を確保したことは一定の前進である。
しかし、2月3日より休館となり、区立小豆沢体育館を利用した方からは「利用料以上に交通費がかかる。歩いて行くことは可能だがかなりの忍耐が必要」など、東板橋体育館利用者がこれまでと同様に継続して運動する機会、場所の確保ができているとは言い難い。
第71号第5項は、改修計画の詳細な説明及び納得させる話し合いの場の設定を求めるものである。区は、これまで利用者向け説明会を2回開催してきた。
しかし、1回目の説明会では改修によって施設がどう変わるのかなどについて資料がなかった。そのため、参加者が理解し、納得できる説明会だったとは言い難い。
また、2回目の説明会は休館直前であり、利用者の意見がどこまで反映されるのか疑問である。
そもそも2017年12月の改修基本計画策定の段階で利用者や近隣住民に広く周知し、声を聞くという姿勢があれば、利用者の意見や要望を計画に反映することも可能であり、利用者への説明はもっと早く行うべきだったと考える。
区として≪区民の誰もが、健康で「いつでも」「どこでも」「いつまでも」スポーツに親しむことができる環境を整備する≫としたスポーツ推進ビジョン2025の基本目標に沿った視点を持つべきである。
よって、本陳情の採択を求める。
2020年2月20日
区民環境委員 山 内 え り