牛尾こうじろう

非核三原則の堅持を求める意見書提出を求める請願は賛成少数で否決に

2026.07.10

7月10日、千代田区議会は「非核三原則の堅持を求める意見書提出を求める請願」を賛成少数で否決しました。

私は、請願の採択について賛成討論をおこないました。区議会に提出された請願と私の賛成討論は以下です。

請願8―1、「 非核三原則の堅持を求める意見書提出を求める請願」の採択に賛成の立場から討論をおこないます。

 広島、長崎に原爆が投下されてから間もなく81年になろうとしています。原爆投下によって、広島では14万人、長崎では7万人の尊い命が奪われ、被爆者は81年がたった現在も後遺症に苦しんでいます。このような悲惨な体験を2度と後世の人たちにさせてはいけないと被爆者のみなさんは被爆体験を語り続け核廃絶を訴えてきました。このことが、2024年、日本被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞につながりました。

日本政府も核のない日本を願い、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」を基本的な防衛・外交方針としてきました。これは国際公約であり、この原則は憲法9条と併せ、平和国家としての国際社会に対する信頼の礎でもあります。

ところが、高市政権の中で安保3文書改定にともなって非核三原則の見直しが議論されています。

首相はこれまで党や内閣の要職にいる時も含めて「持ち込ませず」の見直しに繰り返し言及しています。

これに対し、被爆者の団体である日本被爆者団体協議会は、米国の核兵器が持ち込まれれば相手国が先制的に核攻撃に踏み切る可能性を高め、日本の安全保障を大きく損なう危険性があると警告するとともに、核の持ち込みは日本も批准している「核不拡散条約の精神に反する」と厳しく指摘しています。

一方、首相は自身の著書では経済安全保障担当相だった22年末、閣議決定した3文書の国家安全保障戦略に非核三原則の堅持が明記された点に反対だったと明かしています。今回の安保3文書の改定でも「国是」である「非核三原則を堅持する」とは明言していません。

「国是」とは何でしょうか。広辞苑には「国を挙げて是と認めたもの。国家としての方針」と書かれてあります。つまり、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」は国家の方針なわけです。いかなる政権も守るべきですし、時の内閣で変更するなどということはあってはならないと思います。

朝日新聞社の全国世論調査では非核三原則を「維持すべきだ」との回答が75%。非核3原則の「持ち込ませず」の見直しについても時事通信の世論調査では、46.6%が「堅持すべき」を選び、「見直すべきだ」の28.2%を上回るなど、国民の多数が見直しに反対しています。

核兵器の悲惨さを唯一体験し、世界に訴えていく立場にあるべき日本は、「非核三原則の見直し」ではなく、「核抑止力論」から抜け出し、核廃絶へ向かう議論や運動こそ世界に向けて日本は取り組むべきです。

 本請願では区議会に対し、安全保障関連三文書の改訂に向けた議論が与党内で進められているなか、非核三原則の見直しを懸念する声があり、区議会に政府に対し、「非核三原則の堅持」を求め、その旨の意見書の提出を求めています。

 請願審査の中で委員のひとりから「区議会には核兵器に反対の立場の人もいれば核抑止を重視している人もいる」として、全員が一致しないまま国に意見書を出すことには慎重になるべきと述べ、紹介議員が3人いるのだから3人で議案提案権を使って提案できる旨の発言がありました。大変残念です。

 千代田区議会は2010年3月25日、「核兵器廃絶と恒久平和に向けた取組みを求める意見書」を全会一致で採択し、当時の桜井ただし議長名で内閣総理大臣、外務大臣宛に提出しています。

 さらに、区議会は2019年6月にはトランプ米大統領に対し、当時の石川区長と小林たかや議長連名で、2024年5月には樋口区長と秋谷議長の連名でバイデン米大統領に対し、それぞれ、「臨界前核実験」に抗議するとともに、核兵器廃絶と世界の恒久平和に向けての役割を果たすことを要請しています。

 「世界の人びとと 連帯して 核兵器をなくし平和な世界を築きあげよう」と謳っている国際平和都市千代田区宣言を区と区民と議会が話し合ってつくり上げました。

私はそうした区議会で受け継がれてきた核廃絶の思いを今後も引き継いでいかなければいけないと思っています。

そうした意味でも千代田区議会から「非核三原則の堅持」を政府に求めることは意義あることではないでしょうか。

 以上の理由で本請願の採択に賛成いたします。

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