地域経済振興を―デザインビルド方式は大企業奉仕の方法に過ぎない
区立小中学校の特別教室102室の改修工事(根津小除く)が、大手事業者に一括発注する前提で準備が進められていることが党区議団の情報公開請求で明らかになりました。
建設発注は地域経済振興と区内事業者の育成を図る観点からなるべく多くの区内業者に受注機会を確保できる方法で発注するのが基本です。特に建設事業者は緊急の修繕や降雪・水害など災害時に出動する等、社会的な役割を果たしており、区内業者の振興・育成は自治体の役割です。
党区議団が特別教室改修の発注に向けて区が建設会社16社(うち区内は4社のみ)に送ったヒアリングシートを公開させると「17校の設計施工を一括で発注(デザインビルド方式)することを想定していますが対応は可 能ですか」と質問していることが判明しました。
普通は分離して発注する設計と施工を一体にした上、17校を「一括で発注」するとなれば、設計部門を持たない中小建設業は事実上、排除されかねません。
金子区議は6月の本会議で従来通り、地域経済振興のために設計と施工を分離し17校一括発注をやめるよう指摘し、区は発注方法について「区内事業者含む事業者が応じられるよう、具体的に検討」と表明しました。
党区議団は各委員会で設計・施工を分離と17校の一括発注中止の視点で質疑を展開。議会の最終日には他会派からも「分離発注」を求める発言がされ、一部変化も見られましたが、予断を許しません。党区議団は地域経済振興の視点で引き続き要求していきます。
デザインビルドって? 建物の設計と施工を一括で発注する方法の事を言います。区は「工期短縮・コスト縮減」ができると利点を説明しますがが、これは建物リース会社の説明と瓜二つです。例えば駒本小の増築工事を受注した大和リースは「コストを追求」「スピーディ」だと紹介しています(23年1月発行「事業紹介」大和リース)。 今回のヒアリング等は明豊ファシリティーワークスが「発注支援コンサル業務」で請負い9千7百万円のコストも発生しているのです。 |