三郷排水機場を視察

6月2日から3日にかけて台風2号が長時間にわたり中川・綾瀬川流域にたくさんの雨を降らせました。埼玉県越谷市では降り始めから48時間で総雨量(国交省・越谷雨量観測所)は322ミリとなりました。江戸川河川事務所は、首都圏外郭放水路、三郷放水路、綾瀬川放水路などの排水機場の運転、排水ポンプ車派遣など内水排水支援をしたとしています。3日の午前3時ごろエリアメールが洪水の可能性を知らせ混乱しました。江戸川区から4時頃、江戸川区内は浸水の可能性はないとメールが出され、ホッとした方が多かったのではないでしょうか。その中で、最も大きな排水機能を持つ三郷排水機場(三郷放水路)の故障が6月2日19時10分ごろに起きたことが発表され心配を広げました。緊急措置として排水ポンプ車を現地配備すると発表しました。洪水の危険はなくなりましたが、どうしておきたのか、視察ができないかと要請したところ、11月8日に実現しました。

河川事務所の第3報(6月12日)では、ポンプ設備の機器冷却水用のフィルターに細かいゴミ等が目詰まりしたことにより一時的に一部のポンプ設備が停止したとし、通常の運転ができるようになったとしました。降雨や河川水位の影響がなくなった4日~8日にかけて、改めて機器冷却水用のフィルターや内部施設の洗浄・点検を行い、さらにゴミ等が混入しないよう防止フェンスを追加で設置しました。排水ポンプ車は配備継続。

視察にあたり、綾瀬川、中川の位置関係と内水氾濫を起こさないための綾瀬川放水路(綾瀬川から中川へ排水)、三郷放水路(中川から江戸川に排水)、首都圏外郭放水路(中川から江戸川に排水)などの説明をバスの中でうけました。私は、排水機場の役割がはじめて理解できたような状況でした。もともと埼玉県東部を流れる中川は、お盆のような地形の低平地が広がっているため台風のたびに浸水被害に悩まされてきました。2019年の台風19号(江戸川で避難勧告が出た台風、約3万5千人が学校などに避難)では、三郷放水路・排水機場の稼働で、中川・綾瀬川流域に降った雨のうち、約2割を流域外に排水しました。中川の水位低減効果で、約1500戸の住宅浸水を防止したと報告されています。排水量は50メートルプールにして約22000杯分。今年の台風でも約10680杯分を排水しました。過去5年間の洪水運転状況は、2019年2回、2020年ゼロ、2021年3回、2022年1回、2023年1回。排水機場の捜査担当者は、日常勤務で保守管理(月1~2回総点検)していますが、いざ、運転となると、協力を依頼している会社と一緒に泊まり込んで仕事をされています。また、三郷排水機場は一秒に200㌧排水できるが、綾瀬と八潮排水機場は100㌧、大きな排水機場とわかります。

さて、三郷排水機場の事故の原因は、藻のようなものということでした。DNA鑑定もして原因究明されたと。目詰まり事故が起こらないよう、ポンプにバイパスを付けるとか、河川の水ではなく費用も掛かるが水道水を使うことも検討とのこと。

洪水から町を守る、大きな役割を果たしていることがよくわかりました。私の生まれたのは佐野市で渡良瀬川の支流がながれています。水田の水利用で大事な役割を担っていますが、渡良瀬川の水位があがると逆流するため、洪水がたびたび起こり、大きな排水機場が2か所つくられました。その排水機場の留守番を私の弟がわずかな賃金でアルバイトをやっています。4人で交代とのこと。大事な仕事でも実際に動くのが年に数回ならアルバイトに置き換える可能性がありますね。町を守る大事な仕事、正規労働者の配置を求めたいです。