区の決算に反対を表明

9月26日から10月11日まで決算特別委員会が開催されました。私も消費税、マイナンバー、統一協会、羽田新ルート、5歳児検診、教職員増などを取り上げて、国への要望、区行政の改善を求めましたが、受け入れられませんでした。日本共産党区議団は反対を表明し、委員会が終了。10月25日に、本会議で大橋が少数意見として反対の意見を表明します。

以下、総括意見の概略です。少し長いですがお読みください。本文は約4500字くらいになっています。

2021年度江戸川区は、過去最高の約334億円を積立て、年度末の主要6基金合計約2176億円と過去最高額を更新。区の起債(借金)は1億6800万円の超健全財政。健全財政の目的は、区政の主人公である区民生活を守ること。

2021年度決算の認定審査にあたり、次の4点、①新型コロナの感染拡大や円安等による物価の高騰に苦しむ区民の命とくらしを守る立場に立っていたか。②地方自治の目的である住民福祉の増進のために、税金が適正に使われたか。③区政に民主主義と公正が貫かれたか。④区民生活に深い影響を及ぼす国の政治にどのような態度をとったか。

2021年度決算には、公契約条例の実現や、学童クラブの補食の復活と時間延長など区民の願いにこたえる前進もありましたが、以下に述べるような区政の基本的な問題があり、本決算の認定には明確に反対。

第1の反対理由は福祉、暮らしの切実な要望に応えない姿勢。議会の多くの会派が給食費無償化を求めたにも拘らず、消極的姿勢を変えない。基金を活用すべき。補聴器購入資金補助2万円を3万5千円に拡充したが、非課税世帯のみの補助であり、要件緩和をしない姿勢は冷たい。保育従事職員宿舎借り上げ支援事業、江戸川区は保育士と看護師のみが対象だが、都の基準通りに栄養士や調理師にも適用すべき。

第2は、江戸川区と統一協会(世界平和統一家庭連合)との関係。統一協会から江戸川区社会福祉協議会に対し、2019年度10万円の寄付、江戸川区にも、「世界平和女性連合」より4回合計9万円の寄付を公表。186に上る統一協会関連団体の調査。しかし、社会福祉協議会は「社会的影響も考慮し慎重に対処」、区は「当面の間、寄付の受領を控える」とした。区と団体との関係を断つことを求めたが、最後まで明言しなかった。

第3は、国の高規格堤防(スーパー堤防)と一体の土地区画整理事業、命を守る地震対策。昨年度、上篠崎一丁目北部土地区画整理事業の第一次移転先の地盤改良については、地盤への不安に応えるものとなっていない。隣接する都市計画道路286号線および都県橋の予定エリアも、現在推進中の篠崎公園周辺エリアも含めて、区民に対する説明や周知が著しく不足している。住民の意向を反映すべき。区の「一体の事業が最も合理的」という認識は到底受け入れられない。木造住宅の耐震診断コンサルタントの派遣も受けていない住宅が9300戸。最大の課題は高齢化と資金不足。経済的負担の少ない耐震シェルター支援を選択肢に加えるべき。住宅リフォーム助成について、「個人の資産形成に資する」との否定理由は時代錯誤。

第4は、区民生活を守ることと矛盾する国政推進の姿勢。区民生活を守るために、消費税の5%への減税を国に求めるべきであり、区の利用料・使用料への消費税転嫁もやめるべき。マイナンバーカード作成は任意だが、国は最大2万円のマイナポイントをつけて推進。個人情報の漏えいは重大事故も9件。莫大な税金投入はやめるべき。区内通過の航空機は3年前と比べ、3.4倍と激増。区議団アンケートでは、「環境悪化・落下物の危険があり元の東京湾からの出入りに戻す」が45.2%。国に中止を求める考えはないという区の姿勢は、納得できない。

第5は子どもたちの学びを豊かにする区独自の教職員配置を行わない姿勢。教員の働き方改革として様々な職種が増えたが、本来は正規の教職員を増やすべき、区独自に教職員配置を。小学校1年生の支援員または副担任の配置は最も切実な現場の声。都の施策頼みでは解決できない。学校図書館司書は、教育委員会として専門職の司書を配置すべき。特別支援教室で学ぶ子どもたちのために、都教委の削減を補い、一人一人に寄り添う指導を保障するには巡回指導拠点校の増設と拠点14校への先生の増配置が必要。必要な人の配置を行わない区の姿勢を認めることはできない。

2021年度の国民健康保険料は、一人当たり保険料42円の値上げとしたが、均等割保険料は55500円と23区で最も高い。払いたくても払えない保険料は値下げが必要。

介護保険制度は、保険料の値上げ、利用者の食事代負担増などが行われた。人材確保も不十分なまま今後もケアプラン有料化、要介護1・2の保険外しなどが狙われており、介護の後退は許されない。

後期高齢者医療保険制度はこの10月から年収200万円の一人暮らしなど区内約1万5千人の高齢者の医療費窓口負担を1割から倍の2割負担に引き上げた。もともと高齢者だけを囲い込む医療保険制度に一貫して反対。

以上、日本共産党の少数意見とします。