スピーキングテスト結果の入試導入中止を

11月27日、スピーキングテストが実施され、都内197か所(都立高校150、民間47)で、約6万9000人が受験しました。申し込みは約7万6千人。テストの運営はベネッセコーポレーションが請負、同じ会場内で前半後半に分かれて時間差で同じ問題を解く形式。都の教育庁は、トラブルの報告例として、「欠席連絡の受付電話の回線が混みあって、つながりにくくなった時間がある。会場を間違えて遅刻した生徒がいた」とし、追試験は12月18日としています。

※どれだけの生徒が困ったか実態を調べてほしいです。

受験した生徒は、「学校の授業だけでは到底できない」「試験前半の声が待機している教室に聞こえた」「イヤーマフをつけても他の受験生の声が聞こえた」「教室で監督が寝ていてびっくり」「11時19分のバスに乗るために10時過ぎにご飯を食べた」など、多くの問題を感じています。保護者からも、「アチーブメントテストなのに、会場への交通費が生徒負担」「困ったときの電話も生徒負担」「開始時刻に間に合うように食事はしないで出かけた」

※専門家の先生は、テスト問題が、中学英語の内容を逸脱していると指摘。また、短時間で答えること求めていいのでしょうか。

東京都教育委員会のツイッター11時17分「午前11時現在、西武池袋線など一部の電車に遅れが生じていますが、落ち着いてあわてずに会場に向かってください」ツイッターを見ている中学生はどのくらいいるでしょうか。教育委員会の指示は移動中の生徒には伝わりません。スマホは受験会場に持ち込めないから置いて行った生徒も多かったのではないでしょうか。

追試験の申し込みは、翌日28日の午後5時まででしたが、当日は午後7時まで延長し、翌日も朝9時から午後6時までの受付になりました。延長して、7千人の申し込みができたでしょうか。電話しても、ナビダイヤルで通信費は自分持ち。

学校が最も忙しい時期にテストを強行、受験生と保護者と先生方に大きな負担をかけて、受験の点数に組み入れるとは、子どもの人権を無視しているとしか言えません。中止を求めて訴え続けます。

大橋の本議会の質問を添付します。

テストは11月27日に実施されましたが、個人情報の事前登録が民間会社であり、テストの監督者が当日限りで募集されたアルバイトなど、心配されていました。テスト会場が遠距離だったり、移動も含めて拘束時間が5時間を越えたりと、中学3年生は大変な思いをしたのではないでしょうか。都教委は「大きなトラブルは確認されていない」としましたが、今後、課題を整理して、都教委に見直しを求めていくべきと考えます。

都教委は、テストの内容は学習の積み重ねでできるとしていますが、学校の英語の先生は、テストより先に少人数学級などの教育の条件整備を行ってほしいと声を寄せています。中学校の少人数学級実施こそ都教委が率先して行うべき課題であると指摘しておきます。

民間に丸投げしたテスト結果を受験成績に組み込むことは重大なことです。ベネッセの民間テストGTEKと今回のESAT―Jが似ていること、8万人分の採点が同じ基準で公平・中立に行われるか、不受験者の点数を他人の点数で決める扱い、中学校の進路指導への影響など、不安が広がる生徒と保護者、都立高校離れがでてくる可能性まで懸念される英語のスピーキングテストは見直すべきと考えます。学校、子どもと保護者に丁寧に事前に説明せずに実施した強引な都教委のやり方への批判、テスト中止の声は大きくひろがりました。「都立入試へのテスト導入の延期及び再検討に関する陳情」が区議会文教委員会でも区の教育委員会でも、全会一致で趣旨採択されたのは、区民の声が反映されたものとうけとめました。そこで2点質問します。

一つ目は、今からでも、都立入試に導入することを中止するよう都教委に働きかけること、今回のテストの課題を明らかにし、来年は中止するよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

二つ目は、中学校の35人学級早期実施や少人数授業などで楽しく英語学習を行うことこそ、力をつけることにつながると考えますがどうでしょうか。