練馬区が進めようとしている区立美術館の再整備(改築)計画について、一般質問や決算特別委員会で、反対・見直しを求める立場から質問しました。
区は、サンライフ練馬を解体・廃止してその敷地も使って美術館を今より大規模にしようとしています。その費用は、備品購入費なども含め、81億円だと明らかにしました。
大規模改修の場合は70億でしたが、よりお金がかかることになります。しかもサンライフ練馬は、トレーニング室や体育室、研修室などなど、年間10万人以上に利用されている施設で、それをなくすということは区民サービスの後退です。多額の税金をかけながら、そんな計画を進めることは許されないと思います。
三重県では、総合博物館の建て替えで住民を巻き込んで、「みんなでつくる博物館会議」などの会議体をつくり、5年をかけて作り上げたといいます。
こうした過程を経れば、区民の理解を得られるのではないかと問いました。
区は、パブコメによる意見募集やオープンハウスなどで意見を聞いてきた、そのうえで構想を策定したと答えました。
しかしこれらは住民を「巻き込む」、継続性のと言えるものではなく、見直しを求める意見に対しては、美術館は再整備するんだと、区の考えを返すだけで意見を反映させようという姿勢がありません。これではただ意見を聞いたという体裁をとっているだけです。
区民の声をよそに、区は改築の基本設計事業者の募集・選定を始めようとしていますが、選定委員会にも一般区民の公募は行わず、区が選んだ区民2名を入れています。
区民は置き去りで、美術館で出展したこともある美術団体の関係者からも、大改築なんで必要ないという声が聞かれるほどです。
いま価格高騰で建築単価もあがっており、81億円ではすまない可能性も大きいと思います。もともと、美術館再整備基本構想策定委員会では、大規模改修を前提した議論が行われていました。
また、区はこの間新型コロナの影響でかつてない財政危機を覚悟する、などと言って、わずか高齢者いきいき健康券など、わずか3.2億円の補助・給付的事業の予算を削減しています。
なのに区民から求められているわけでもない美術館大改築に多額の税金をかけることは、まったく整合性や一貫性がなく、区長のトップダウンの弊害ではないかと思います。
この計画は立ち止まり、区立美術館はどうあるべきが区民とともに考えるべきです。