坂尻まさゆき

住まいの確保について

2019.12.11

一般質問で、住宅政策について質問しました。

低賃金雇用の拡大や年金が減らされるもと、住まいを確保すること自体が難しい人が増えています。私たちのものにも、アパート等の建て替えで立ち退きを迫られ、相談を寄せて来る方がいます。

区内の不動産業者さんからは、昨今古くなったアパート等の建て替えが進んでおり、そうすると家賃が跳ね上がるため、「この先収入の少ない人の行き場がなくなるのではないか」との声もお聞きしました。

東京都の調査では、ネットカフェを利用し決まった住居を持たない人が1日3000人いるといわれ、その半数は30代までだといいます。また、母子世帯の貧困率は50%を超えており、家賃が重くのしかかっています。

国は2006年に「住生活基本法」を制定したと同時に「住宅建設計画法」を廃止し、住宅確保は民間市場任せと自己責任にしていまい、公営住宅の建設を大きく後退させました。

その結果都営住宅の建設は、石原都政以来20年にわたりゼロが続いています。

国・自治体が公的に支援するのは住まいの確保が極めて困難な世帯に限られ、そうしたもとで「住宅セーフティネット制度」が作られました。

この制度は、低所得者、高齢者、障がい者、子育て世帯など「住宅確保要配慮者」とされる方々の入居を拒まない住宅として、民間の賃貸住宅を貸主に登録してもらうものです。セーフティネット住宅とか、登録住宅と呼ばれます。

また、「住宅確保要配慮者」専用の賃貸住宅は「専用住宅」とされ、貸主にバリアフリー等の改修費補助、家賃を安くするための補助があります。

しかし、登録住宅は2020年度末までに17万5000戸の計画が、12月11日時点で1万6315件、専用住宅は2419 件にすぎません。

練馬区では登録住宅27件、専用住宅は2件しかなく、セーフティネットになっていません。

なぜなのか。区は、家主にとって単身高齢者が亡くなった際の対応、資産価値の低下、家賃滞納等への懸念があること、一方でメリットが少ないことがあるとしています。

また家賃補助は専用住宅でなければ使えず、入居者ではなく貸主に支給される仕組みのため対象が限られます。

入居者を対象にして、補助を受けられる人を増やすべきと訴えました。区は専用住宅を増やすために「家主に補助するのが効果的」だといいます。

たったの2件しか専用住宅がないのに効果的とは言えません。不動産や福祉の関係団体と意見交換をしながら、登録住宅、専用住宅を広げるよう求めました。

これらの対策も意味がないとまでは言いませんが、やはり抜本的には、都営住宅を新増設することが求められていると思います。区議団にも、「都営住宅に入りたい」という相談が多く寄せられていますし、この間増加していると感じます。

住まいは人権です。区は「住まいは、生活の基盤として個人の責任で確保するのが原則」だと言いますが、憲法に基づく生存権、世界人権宣言、日本も批准している国際人権規約等において、住まいに関する権利が認められています。

個人の責任に落とし込むのでなく。公的責任として取り組むべきです。

公営住宅を増やすこと、セーフティネットの家賃補助と合わせ区としても独自に家賃補助制度をつくるなど、住宅政策をより実効性のあるものとして充実させることに、今後も取り組んでいきます。

 

 

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