26日に開かれた都市整備委員会で、羽田新ルートに関する2つの陳情「陳情12号練馬区上空を飛ぶ羽田新ルートの中止撤回について」「陳情63号 羽田空港新飛行経路の実機飛行を踏まえた運用延期などを求めることについて」」の審議を行ない、採決が行われました。
陳情は、騒音や落下物の懸念があり住民の理解もないこと、実際の飛行では、音も大きさもシミュレーションと異なることから、中止や運用延期・見直しを求めていました。
私を含め4人の委員が採択に賛成しましたが、自民・公明など与党が反対し、賛成少数で2つとも不採択という結果になりました。大変残念であり、陳情者には申し訳ない思いです。
質疑では、騒音について練馬上空では最大75デシベルが記録され、声明されていた70デシベルを上回っていること、空港への降下角を3.45度にすることで軽減されるとしていたが、ほとんど効果がないこと、日経新聞では、逆に4割でおおきくなっているという報道もあることなど指摘しました。
報道によれば、降下角度が急になったため、エンジンをふかすことも珍しくないからだということです。
陳情に「実際の体感レベルはシミュレーションと相当違う」とあることも指摘して問いましたが、「降下角を変えたことで、一定軽減効果があったと聞いている」との答え。
しかしその軽減効果はマイナス1デシベル程度だということで、これは人の耳では実感できない違いです。
区の答えは、どれも「国が対策をとると聞いている」といったことばかりで、まるで暖簾に腕押しだと感じました。
飛行ルートが、説明されていたコースを外れているんじゃないか、とも言いました。私は練馬区平和台に住んでいますが、ここはルートになっていないはずなのに、上空を飛んでいくのを何度も見ています。おそらくC滑走路に向かうものかと思われますが、大きく外れているのです。にも関わらず、ね練馬区は「航路を逸脱はないと聞いている」というだけです。私は自分の目で見ているし、A滑走路のコースのほうでもコースを外れているという話を聞いてきました。
空港への進入角3.45度(普通は3度)の問題について最近でも、4月14日に日本乗員組合連絡会議 (日乗連・ALPA JAPAN)が、「安全上のリスクが存在し続けることになる」ことから、「将来的にそれらリスクの緩和を図る必要がある」と懸念を表明しています。
懸念が現実にならないように、最悪の事態を想定してリスクを回避することが必要です。大丈夫だろうと言う楽観論、競争力優先の安全軽視が一番危険だということは原発事故の経験で明らかではないでしょうか。
住民の納得もなく、現場最前線の専門家であるパイロットからも声があがっている羽田新ルートは中止すべきと、引き続き取り組んでいきたいと思います。