教職員の過労死ラインの働き方の改善を
1日30分減少したが、1日11時間勤務
2016年に実施した教員勤務実態調査で、過労死ラインを超えて働く教員が多いことが課題となりましたが、教員の仕事のサポートとして、スクールサポートスタッフを学校一名配置、副校長補佐1名配置と新たな職員が増えましたが、1名では改善されたのでしょうか。2022年に再度勤務実態調査をした結果が4月に発表されました。「小学校教員は1日10時間45分(30分減少)、中学校教員は1日11時間01分(31分減少)。40歳以下の教員の勤務時間は減少したが、授業(主担当)、朝の業務、学習指導の時間が増加した。部活動は週6日が多かったが週5日が一番多く56.1%。ICTで負担軽減が図れた」という概要です。一日の学校での仕事は少し減ったといっても、持ち帰りの仕事がどうなのか、授業が増えていては長時間過密労働の改善にはつながりません。また、ICT活用が勤務時間軽減とどうつながるのかわかりません。
35人学級を全学年で実施し、30人以下学級に
働き方改革の最も有効な手立ては少人数学級(30人以下)の早期実施です。職員が1名程度ふえただけでは教員の忙しさは変わりません。少人数学級に加えて、専科の先生を増員して教員の週当たりの持ち時数を減らすこと、小学校20時間、中学校18時間にすれば、授業準備が勤務時間内にできます。1学級の人数が20人程度なら、子どもの様子を踏まえた授業がすすめられますし、日記の添削や採点などの時間が短くなります。給食の配膳や片付けも短くなります。時間内に終わらせるため急がせることがなく、全体にゆとりができるのがなによりです。長時間勤務をなくし行き届いた教育をすすめるには、先生を増やすのが最も大事なことです。
中学校の部活動のあり方は関係者の意見をしっかり聞いて
中学校の部活動を民間に任せる方向が準備されています。学校教育との関連はどうか、練習場所と指導者が確保できるか、部活の費用負担はどうか、対外試合の対応はどうするか、いろいろ課題があります。子どもたちも含め、納得できるようにしていく必要があります。拙速な移行はやめるべきです。