英語のスピーキングテストの中止を
都教委は、11月26日に英語のスピーキングテストを今年も行うとしています。さらに、中1も中2も実施すると発表。さらに驚いたのは、ベネッセが英語のスピーキングテストから撤退し、中1と中2は別の民間会社が行います。このままいけば、来年の中3もこの民間会社が実施することになるでしょう。
テストの内容についての疑問、ベネッセのGTEKと類似していることや高校の学習範囲が出題されたことなど、試験会場の不備、待っている場所で試験の解答が聞こえた、拘束時間が長すぎることなど、試験監督がアルバイトにゆだねられたこと、回答音声を吹き込むタブレットの不具合や他人の回答がタブレットに入ったなど、子どもたちの声も含め多数届けられました。さらに、1月末に8名の採点ミスが発表され混乱が生じたことも忘れることができません。もちろん、試験実施に関しての学校現場の大変さはいうまでもありません。都教委はまったく問題がなかったとして今年も行うのですから、教育委員会の責任を放棄したといっても過言ではありません。
9月2日、今年の実施を入試に使わせないことや本来の英語教育はどうあるべきか、江戸川区で学習会を行いました。講師は大津由紀雄(慶応義塾大学名誉教授)さん。「ことばの教育としての英語教育」と題してのお話は、ことばのあいまいさを例にして、ことばの性質をきちんと知っておかないと誤解されてしまうかもしれないと指摘され、ことばとコミュニケーションのお話を中心に話されました。たとえば「きみたちを悩ます宿題はもうださないよ」と先生が言うので生徒は宿題はないと思ったら、「だから今日の宿題はかんたんだよ」と先生が話すとしたら。ことばの性質をきちんと知っておかなければだまされてしまうかもしれないと。ことばでのあいまいさはできるだけさけることを強調され、母語と外国語の効果的な運用が大事、母語を活かした外国語学習、直感が利く母語を活用して言葉の楽しさ、豊かさ、怖さを知るとしました。大津先生は言葉の原点を深く解明されたと思います。同時に外国語教育というのは英語だけに限定せず、多様な文化・言語があることを子どもたちに気づかせること、先生方は一生懸命、学校給食から多様な食文化を授業に取り上げた実践もあると紹介。文科省が英語だけで授業せよというが生徒がどれだけ理解できているか、都立高校の先生が授業は英語だけだが宿題プリントは日本語を使うという工夫をされている。11月に岩波ブックレットの発行予定。
言葉の教育と母語の大切さ、大事なことを学びなおしました。子どもたちのために、引き続き、役に立たないテストの中止、入試活用反対の意見を取り上げ、区議会で質問をしていきたいです。参加者はオンラインの方を含めて60名を超えました。準備されたみなさん、ありがとうございました。