補聴器補助の拡充を

江戸川区が一年前の12月から、補助金を2万円から3万5千円に増額し、利用者も増え(10月末で約200人)、第四回定例区議会に補助金支給40人分の追加予算が提案されました。しかし、65歳以上、非課税世帯という条件ですから、利用できる人は少ないといえます。となりの江東区では現物支給か補助金かを選ぶシステムで約1000人の利用者となっています。江戸川区でも、対象者の拡大を、現物支給を求めて質問しました。質問直前に、生保受給者の方から、「入院するには補聴器がないと困るといわれ、3万5千円では買えない困った」と相談がありました。所得の低い方は補聴器購入は後回しになります。補助金を増やすか現物支給かどちらかを選ぶことができるようにするべきです。また、江戸川区では、かつて補聴器の現物支給をしており、20年以上前に現金給付に切り替わった経緯があります。長寿健診に聴力検査を求めましたが、問診をしているという答弁でした。

私の質問を紹介します。

2020年第4回定例会で、区長は助成を見直すと答弁され、翌2021年12月から、補助金35000円への増額と事前に医療機関に相談する方法に改善されました。65歳以上、非課税世帯と対象は限られているものの、今年度は申請件数が増えています。医師会からも補助金支給対象を広げる要望をいただきました。

80代の半数以上が難聴になるといわれ、加齢性難聴は認知症の危険因子のひとつと、厚労省の新オレンジプラン(2017年1月)でも認めています。高齢化社会を豊かに過ごすための難聴対策は全国に広がり、認知症対策としても補聴器補助が位置付けられるようになっています。今後、購入補助金増額を含め、高齢者の健康維持の視点からも難聴対策の拡充が必要といえます。

港区は、60歳以上、医師の認定、障害者手帳を持っていない人を対象にして、上限13万7000円、住民税課税者は上限68000円です。江東区では現物または補助金のどちらかを選び、購入補助後の調整を区役所で毎週定期的に行い、年間約1000人の利用者数です。また、補聴器診察の医師に補助金も支給しています。新宿区は再申請を5年に一回とし、区によっては介護事業に位置付けています。

厚労省は、8月の日本共産党国会議員団の厚労省レクチャーにおいて、WHOの見解「難聴と認知症の関係はある。因果関係についてはまだあきらかではない。今後考えていく」をしめしました。国が難聴の抜本的対策をとることが必要ですが、最も身近な政府として、また、先駆的に補聴器購入助成をしてきた区として、今後の改善に取り組むことを求め、2点質問します。

一つ目は、補聴器補助金支給の所得制限及び年齢制限を見なおし、希望者全員とすること。また、生活保護世帯や低所得世帯のために現物支給も検討するべきと考えますがいかがでしょうか。

二つ目は、医師会とも連携し、早期に難聴対策ができるように、区独自の施策として長寿健診の検診項目に聴力検査を加えることを提案しますがどうでしょうか。