学校のプールの整備方針、パブコメ締め切り迫る
江戸川区の学校のプールの整備方針が教育委員会から示され、パブリックコメントを募集しています。私が区議になってからは、区教委のパブコメは初めてです。小学校の改築の時にはプールを作らず、中学校に温水プールを作って共同利用する、区民にも提供するという内容です。私は、小学校教員38年の経験を踏まえ、特に小学校1・2年生は移動も心配ですし、プールの水深も何より心配なことから意見を出しました。昨年高知市で身長が低い小学校4年生が中学校のプールを利用した水泳授業で死亡したことも忘れられません。以下、大橋の意見を掲載します。
現在の区内の小中学校5校程度に温水プールを一か所とすれば、統廃合を前提で考えても16~18必要です。また、区民利用とすればその管理は民間にゆだねる可能性もあります。学校教育施設を有効活用することは否定しませんが、管理も含めて温水プール設置校は先生方の負担が増えます。まず、先生方の意見をきちんと聞き取ってほしいです。学校現場の声をどれだけ聞いてこの指針をつくったのか、子どもたちへの水泳指導のあり方、子どもたちにどういう力をつけるのか、もっと現場で論議を深めてほしいです。特に小学校の。私は小学校教員38年の経験があり、特に低学年を担任することが多かったので、そのことから、特に心配なことを書きます。
① 小学校低学年の子どもたちのプールへの移動の負担が大きいです。移動時の安全面、移動に時間がかかりすぎてほかの授業にも影響します。移動時間は授業時数にカウントされないのではありませんか。水遊び・水泳の授業時間が結果として減ることにつながります。文科省は決まった授業時数を求めてくるなら必要な時数と実施時数との矛盾が出てきます。
② 夏の気温が高すぎることで水泳の授業中止の学校が増えてきたと聞きました。学校のプールは屋上が多いため、余計熱いです。プールに簡易な屋根をつけて、暑さから子どもを守ることを検討するべきと考えます。
③ 整備方針にもありますが、消防水利に対する措置として、全校にプールは必要であると考えます。
④教職員の負担軽減はその通りです。プールの維持管理は大変です。しかし、それを理由にしてほしくありません。教職員の増員で対応するべきです。
⑤中学校の温水プールを原則としていますが、水深が問題です。小学校1・2年生のプール指導は学習指導要領では水遊びとなっています。江東区の有明小中学校はプールの水深の対応で、プールの床を電動式にしましたが、維持費が大変だということです。十分検討されていると思いますが、葛西小学校葛西中学校は校舎併設にしましたが、その際、電動式床を検討したものの、維持費がかかりすぎると、小学校中学校別々にプールを作ったと聞きました。プールサイドが狭くなる難点もありましたが。
プール指導は教員経験者としては大変だという実感があります。1・2年生は着替えからプールサイド安全面から指導内容まで気が抜けません。それに、移動が加われば、疲労困憊。私は、プールに屋根をつけて各校で指導できるような設備にしてほしいです。区民には各地域に温水プールを別に作ればいいと思います。今、鹿本中学校は総合体育館の温水プールを使っています。細かい利用状況はわかりませんが、小・中の子どもたちの体格の相違はプールのあり方として大きいと思います。楽しく水泳を学べる、それを大事にしたいです。昨年、高知市で中学校のプールを利用した小学校4年生の死亡事故の報道がありました。小学校の浄化ポンプが故障のために中学校のプールを利用したと報道されました。中学校のプールの水深は、事故当時、1メートル14センチから1メートル32.5センチで、小学校のプールより10センチほど深くなっていました。死亡した男子児童の父親によれば、男子児童は身長がおよそ1メートル10センチ、体重は16キロと小柄で、水泳の授業の前に「怖い」と学校側に訴えていたということです。事故につながれば最悪の事態を招きます。子どもの命を守る水泳指導、子どもたちに自分の命を守る力をつける水泳指導を何よりも期待します。整備指針の見直しを求めます。