教職員増、学校プール整備方針の課題

第二回定例会、最後に、教育課題について質問しました。

昨日11日、国会で改定教員給与特別措置法が可決成立しました。この法律は50年以上前に制定され、超過勤務手当として基本給の4%が支給されてきました。今回の改定で段階的に5年後に10%支給となりますが、在校平均時間が11時間半労働の実態に対して本田由紀東大教授は小学校教員には20.5%、中学校では29%の調整額が必要だとしています。文科省は、様々な教育課題への対応や部活動などの教員の時間外労働は自発的なものであり、労基法は適用されないとして今日に至り、「定額働かせ放題」という状況が続いています。日本共産党は、時間外勤務手当を見送った改定給特法に反対しました。今、長時間過密労働による教職の魅力低下、教師志望者の減少、教師不足という負のスパイラルになっています。最大の被害者は子どもたちではないでしょうか。本物の働き方改革、時間外手当の支給、抜本的な教職員定数増、少人数学級推進などが必要です。

昨年度から全小学校に学年アシスタントが1~3名配置され歓迎されています。区議団は今まで小1支援員全学級配置を提案してきました。今年度小1は163学級です。都費65名に加えて区費で98名の配置ができないでしょうか。全学級副担任配置ができれば、新1年生の好スタートができます。低学年から不登校の子どもが増えています。教育長は、不登校問題、5歳児検診などにふれ、子どもたちの発達課題を踏まえた学校教育推進を表明されています。子どもや保護者が安心できる支援策、子どもたちが通いたくなる学校につながる1年生全学級への学年アシスタント副担任の配置を求めます。

学校給食費無償化は、昨年の4定で拡充の方向が示され、今回の補正予算で、区内在住の子ども全てを対象に広げます。また当初予算では、教材・学用品の一部を公費負担にしています。保護者負担軽減は、子育て支援の基本的な姿勢であり、憲法26条の義務教育は無償とすることからも大事な施策です。学用品費の公費負担を拡充し、中学校への拡大を求めます。また、修学旅行費用の無償化が5区で実施され注目されます。インバウンドや物価高騰で、費用が増大している中、修学旅行に参加できない子がいたら教育を受ける権利が保障されなくなります。さらに、経済的な支援として就学援助制度を拡充させ、生保基準の1.25倍を1.3倍にすることを求めます。

3月末に策定された学校プール整備方針の具体化は検討中と認識していましたが、今定例会に設計変更の補正予算がだされ、拙速ではないでしょうか。パブコメでは、学校プールが消防水利の位置付けに、「防火水槽などの設置をするなど検討する」と回答、徒歩の移動のみが良いという意見に「他自治体で検討している簡易温水プールについては研究」と回答、簡易な屋根をつけて暑さ対策をという意見に「熱中症対策については、引き続きソフト・ハード両面から検討し回答」としています。簡易温水プールの研究や熱中症対策の検討がしめされないまま、学校の設計変更案に違和感があります。また、小学校中学校の共用となることから、可動床の導入など水深調整、借り上げバスの利用など極力児童生徒と教職員の負担にならないようにするとしています。しかし、直接指導を行う教職員からの聞き取りを十分行っているか、温水プール地域開放のメリットデメリットの検討、学校行事と水泳指導の関連、温水プール設置校の教職員の負担増など検討することはたくさんあります。そこで5点質問します。

①教員給与特別措置法改定案は、時間外手当は見送られたが、教員の働き方改革について(教員の処遇改善、教職員定数増、少人数学級推進など)現場での経験豊かな教育長の所見をうかがいたい。

教育長答弁:奮闘する教師を支え、やりがいを実感して子どもたちと向き合える環境整備に尽力する。

②学年アシスタントの配置もふまえ、全小学校1年生への副担任の配置を区費で独自に行うべき。

答弁:全学級に副担任を配置する考えはない。

③義務教育の無償化をすすめ、修学旅行無償化、学用品公費負担の拡大、就学援助の1.3倍への拡充を求める。

答弁:就学旅行無償化、就学援助の認定基準変更の考えはない。学用品公費負担拡大は検討する。

④学校プールについて、〇学校プール整備方針の具体化は、教職員の意見を踏まえ十分検討すること。提案された温水プールは、借り上げバスの利用、可動床、温水プール設置校の施設管理、区民利用、学校行事との関連など検討するべき課題が山積。今回の温水プール設計提案は時期尚早であり、立ち止まるべき。〇熱中症対策として、早急にプールの日差し対策を行うべき。

答弁:安定した環境の提供に温水プールは有効と考える。学校の意見を伺いながら整備する。熱中症対策はハード・ソフト両面への対応で熱中症を防ぐ

区独自の教職員増員を一切実施しない姿勢は、教育長が変わっても継続されているのは残念です。予算を確保すること、人を集めること、どちらも大変なことは承知しています。暑さ対策に温水プール設置、英語が話せるようは教育を、不登校を未然に防ぐなどと重点を示してきた江戸川区の教育行政。子どもたちにとって何が必要か、子どもの笑顔輝く学校には何が必要か、学校現場の声をしっかり聴いてほしいと求めます。