2100年プランにパブコメを、締め切り迫る

江戸川区2100年プランをどうお考えですか?2025年から75年後を見据えて、人口減少、税収減少が予測されるために、今からサービスを削減して、健全財政を維持するとしていますが、これはどの自治体でも起こります。地方の人口減少の自治体の苦労、移住を呼びかけていることもよく知られています。東京一極集中が続いている中での先を見通しての提言と区は説明していますが、その都度の判断で行政を区民と共にすすめることが民主主義の基本、地方自治法の「福祉の増進」ではないでしょうか。

以下、大橋が区にだしたパブリックコメントの意見です。

江戸川区が12月下旬に全戸配布した「広報えどがわ」特別号には、「アンケートのご協力ありがとうございました」「中サービス―中負担に決定しました」とあり、「様々な取り組みを紹介しています。ご意見をおよせください」と今回のパブコメを求めていることについて、はじめに質問します。
① 「決定しました」ではなく、アンケート結果は「中サービス‐中負担でした」という表現が適切だと考えます。どうして、このアンケート結果を根拠にして、「決定」と表現したのでしょうか。
② 10月実施のアンケートは、住所・氏名・生年月日まで記入しなければ無効であり、選択肢は3つしかなく、アンケートとはいえません。私も選択肢がないため回答しませんでした。私以外にも、アンケートの内容にとまどい回答しなかった人もいたのではないでしょうか。小学校5年生以上の区民約65万人が対象で、各自治会・町会役員会への区職員の説明、コミ館などの利用者への呼びかけ、各事務所に来た人への区職員による呼びかけ、防災無線や青パトを使っての呼びかけにもかかわらず、4万6024人(19歳以下約2万人)という区民の1割にも満たない回答結果でした。区政への関心が弱いというより、アンケートの内容に問題があったのではないでしょうか。
③ 区のHP資料によれば、284項目にも及ぶ削減や見直し、施策の改善内容がしめされています。使用料値上げは具体的ですが、全体に項目の量が多すぎ、33ページには「助成の対象や内容について整理していきます」と内容がよくわからない項目もあります。担当部署の電話番号があり、そこに問い合わせて聞きなさいということなのでしょうが、どうしてこのようなたくさんの課題を一度にしめしたのでしょうか。自分の関心があることだけの意見表明を求めているのでしょうか。
④ 区のホームページには「意見募集(パブリック・コメント)とは、区が区政に関する基本的な計画、条例案等を策定する過程において、あらかじめ定めた期間に広く区民等の意見を求めたうえで、当該意見を考慮して意思決定を行い、その結果を公表する一連の手続をいいます」とあります。今回の意見募集の内容が「策定する過程」となるか疑問です。意見募集のあり方と矛盾していると考えますが、今回の意見募集のあり方の根拠を示してください。

次に内容についての意見を述べます。
① コロナワクチンインフルエンザワクチン75歳以上無料とか、補聴器補助の拡充など改善される内容は約70項目と認識しました。しかし、約200項目は、集会室の利用料値上げをはじめ、健診費用の一部自己負担など受益者負担の見直しと値上げ、公共施設再編で統合・集約、「来庁しなくてもよい区役所」「ミニ区役所」構想で、経費や職員数削減や事業の民間委託化を進めることなどが随所にもりこまれ、削減事業が多く、「中サービス‐中負担」の内容だとは納得できません。
② 公共施設の使用料の段階的な値上げは、3年後は約2倍となり、減免制度の見直しも示しており、江戸川区が大事にしてきた地域コミュニティの崩壊につながる可能性を危惧します。「使う人も使わない人も両方にとって公平な仕組みになるよう段階的に見直す」と説明されていますが、この考えだと、図書館や共育プラザなど無料で利用できる公共施設も見直すことにつながります。また、区の説明は納得できるものではなく、値上げする場合は、利用する区民の声を丁寧に聞き取るべきであり、一方的に宣言するような値上げは行うべきではありません。
③ 公共施設再編は、小中学校の統廃合をはじめ様々な公共施設の統合・集約を前提とし、くすのきカルチャーセンターは6か所を1か所に、区営住宅を廃止し家賃補助に切り替え、500席の観客席を持つスポーツ施設を各地域に作るなど、公共施設再編で区の負担を減らし、「稼ぐ江戸川」にきりかえようとしている姿勢にみえます。
④ 江戸川区は、23区で最も多い約2672億円の積立基金があります。そのうえ、2100年に向けて今から削減を続けることを区民が望むでしょうか。地方自治法第一条の「住民の福祉の増進を図ること」につながらない提案が多すぎます。毎年、歳入と歳出のバランスをみながら、事業内容を検討することを基本とするべきです。
⑤ 表紙に「本誌掲載の事業は区が現時点で実施を検討しているものです。事業の実施に当たっては、今後の江戸川区議会での審議・議決を要します」と小さな文字で書いてあります。議会の議決なしに区政運営はできないことは明らかですが、「中サービス‐中負担に決定しました」という表現は、議会無視ともうけとれます。「決定しました」の表紙の言葉は問題があり、質問にも書きましたが、別の表現にするべきでした。意見を聞くという民主主義の基本を貫くことが区政運営の基本と考えます。