被爆80年、日本被団協田中てる巳さんのお話

7月26日の自治体学校の記念講演は田中てるみさんでした。1932年中国東北部(旧満州)生まれ。93歳のご高齢にもかかわらず、世界中に被爆の実相を語っている方です。直接お話を聞くのは初めてでした。

田中さんは、日本被団協はノーベル平和賞受賞に何回もノミネートされていたのですが、受賞できず残念に思っていたこと、ノーベル平和賞受賞を予想していなかったこと、国際法に反した戦闘行為で無数の命が日々奪われ、いわゆる「核のタブー」さえも壊されようとしている現状があること、日本被団協のノーベル平和賞受賞を力に、被爆80年の2025年を核兵器廃絶・平和・人権・憲法・地方自治へ向けた転換の年にしていきましょうと呼びかけました。

2017年にICANが受賞した時に、どうして日本被団協の名前が出てこないのかと考えてしまった。ノルウェーもNATO加盟国だからアメリカの核の傘に守られている、日本被団協が核兵器に反対しているということについて、全面的に賛成とは言えない、その運動を全面的にたたえることはできない、そういう立場ではないかと思ったと。今回の受賞理由に、「核のタブー」は、「核兵器を使ってはいけないという道徳的な規範」として使っていますが、その「核のタブー」が壊され崩されようとしているということを受賞の理由に挙げていて、やっぱりそうだったのかと思ったと。そして、被爆者の高齢化に触れ、高齢化で被爆者もやがてなくなる、しかし、今までの運動を継承する若者も生まれてきているというところまで行ってくれた。私たちが継承者といって、次の担い手を探している運動もよく見ていて、いいタイミングで受賞をさせてくれた。受賞を大いにいかしていきたいと語られました。

また、長崎での被爆体験を詳しく語られました。貴重な公園をありがとうございました。