日本母親大会、女性パワー発揮
今年の日本母親大会は、15日の分科会に2600人(+オンライン1200人)、16日の全体会に2400人(+オンライン9000人)と、のべ14000人が参加しました。私も、15日はオンラインで「ジェンダー平等社会の実現」の分科会に参加。この分科会は163名オンライン351名の参加。早稲田大学名誉教授の浅倉さんは救済されない男女差別裁判の事例が多く女性差別撤廃条約選択議定書の批准が必要と強調、´人間と性´教育研究協議会の金子さんは、性教育バッシングの歴史にふれながら、ジェンダーの課題・性教育の大切さをを報告。性暴力裁判の傍聴なども含めた性犯罪を追求をするライターの小川さんの報告は自分の体験も重ねたもので、若い方の発言には励まされます。今後の活躍に期待したいです。オンラインは、自宅から会場にいるように参加して学べるのですから、新しい学習方法ですね。でも、全体会に参加して、全国の女性たちと交歓できるのは、貴重なことと実感しました。しばらくぶりに友人に会えたのもうれしいひと時でした。来年は山口県で11月25・26日に開催されます。
「自由を生きぬく実践知」
全体会記念講演は、田中優子さん(法政大学前総長)です。東京6大学ではじめての女性総長。テレビでも適切な意見を述べていることはよく知られています。田中優子さんは、江戸時代の文学・美術・生活文化の研究者。田中さんの講演を楽しみに群馬県高崎市まで出かけました。
まず、明治時代の戸籍法で「家父長」をすえ、姻婚も「家父長」が決めるとし、1898年には夫婦同姓となったと指摘。それまでは日本の伝統は別姓でした。自民党の一部右派の議員は別姓にすると家族が壊れるというが、それなら日本はとっくに崩壊していると、会場を沸かせました。自民党は、憲法改定案で明治時代の「家父長的家族像」をおしつけようとしており、それは、「勝共連合」・統一協会と同じものがあると。多様性を認めることの大切さ、同性婚を認めれば不幸な人が救われる、政治家のやることは幸せな人を増やすことだと強調されました。まったく同感です。
土屋文明記念文学館を訪ねて
朝早く東京を立ち、全体会開会前に、高崎市郊外の県立土屋文明記念館を訪問しました(駅からタクシーを利用)。記念館の庭には、土屋文明が1990年9月18日に満100歳となることを祝った歌碑が建てられています。文明の歌碑は一か所だけとのこと。今年の100歳以上の方は約9万人、99歳まで創作活動をつづけた生き方に励まされます。
土屋文明が1920年に諏訪高等女学校校長に転任した時に、若き伊藤千代子を教えました。日本共産党に入党した伊藤千代子が24歳で獄死したことを「こころざしつつたふれし少女よ 新しき光の中におきて思はむ」と詠ったのです。文明の誠実な人柄がしのばれます。遺作は『アララギ』1990年9月号・99歳「相共に九十年をめざしつつ早くも君はたふれ給うか」